【解説】今後の雨・雪は「土砂ダム」に警戒…新潟県中越地震では甚大な被害
■「土砂ダム」とは? 新潟県中越地震では甚大な被害
中島芽生キャスター
「渋谷さん、被災地では大変な状況が続いていますよね」
SUPER BEAVER・ボーカル 渋谷龍太さん(36)
「日々ニュースを見て心配は尽きないですよね。気温もどんどん下がってきていますし、少しでも状況がよくなることを願っています」
中島キャスター
「現場で取材をしていてよく見かけたのが土砂崩れですが、被災地ではこれによる『土砂ダム』に警戒する必要があります。『土砂ダム』とは、地震による土砂崩れで川がせき止められてダムのように水がたまってしまうことです。ここに雨などが降って増水してあふれると土石流が発生するおそれがあります。『土砂ダム』が決壊する様子を再現した実験では、増水によって水があふれ始めダムが決壊。勢いよく水が流れ出ていきました」
「京都大学防災研究所の松四教授の調査によると、輪島市では『土砂ダム』が少なくとも12か所できているといいます。過去の地震でも『土砂ダム』の決壊が起きていて、2004年の新潟県中越地震の時は一部の集落を水没させるなど甚大な被害をもたらしました」
■13日は北陸で雨・雪予報 週明けには警報級の大雪の可能性も
中島キャスター
「このあとの被災地の天気について、気象予報士の市村さんにお願いします」
市村紗弥香・気象予報士/防災士
「北陸地方の13日の天気です。雨や雪が降る予想で、雨のところも次第に雪に変わっていきます。強まるところも出てきそうです。そして、5日間の予報をみると、14日はいったん天気は回復しますが、週明け15日から16日にかけては荒れた天気になります。警報級の大雪や猛吹雪になるおそれもあります」
中島キャスター
「来週も引き続き警戒が必要になるということですが、松四教授によると、対策としては、そもそも危険な川へはできるだけ近づかないこと。そして、行かざるを得ない時は川を注意深く見るようにして、万が一、石や流木、泥水などが一緒に流れてきていたら、それが進む方向とは垂直の向きにとにかく逃げることが大切だということです。また、おやすみの際は2階で眠るようにするなど、できれば『垂直避難』も心がけてください」
「渋谷さん、地震もまだ続いていますし、被災地の皆さんは今もこの災害と闘っているわけですよね」
渋谷龍太さん
「自分がやっている音楽という仕事は衣食住、そして命を救うことに直結しているわけではないので、正直、歯がゆさも感じてはいます。今できることというのは、被災地の現状を自分でよく知っておくこと。あとは音楽を聴いたことでしか得られない感覚が自分自身もあったので、音楽を使って少しでもエネルギーを届けられるような活動をしていきたいなと思います」
中島キャスター
「避難所でもなかなか気持ちを前に向けられないという人もいたので、そういった人に届けたいですね」
(『news zero』より)