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【解説】沈没船が陸上に!異常な速さで変化する硫黄島 年間で80センチ超も隆起

2023年11月27日 21:44
小笠原諸島の硫黄島の近くでは、先月末から火山噴火が発生し新しい島が誕生しました。火口から軽石やマグマを噴き出し、活発な活動が現在も続いています。この硫黄島、国土地理院の観測データをみると、“異常なスピード”で大きく変化していることがわかりました。気象庁も「珍しい」と話す硫黄島の最新の状況を社会部災害担当・内藤ミカ記者が解説します。【週刊地震ニュース

■震度1以上の地震は28回 青森県で震度4

11月20日から26日までの期間、震度1以上の地震は28回ありました。このうち、震度3以上の地震は2回ありました。

▼20日午前6時1分ごろ、青森県八戸市、野辺地町などで震度4を観測する地震がありました。

震源は青森県東方沖で地震の規模を示すマグニチュードは5.9、震源の深さは52キロでした。

▼23日午前2時23分頃、山形県新庄市で震度3の地震がありました。

震源は山形県最上地方、マグニチュードは3.7、震源の深さは9キロでした。

■西之島 新島誕生の噴火から10年

11月16日に撮影した西之島では、山体から水蒸気が上がり、硫黄の固体成分が冷えて固まったことで山体の所々が黄色くなっていました。

島の周辺には変色水が広がっていることから、火山性のガスが海底から出ていると考えられます。変色水の赤茶色の部分は、岩石に含まれる鉄分が溶け出していることを示しています。10年前の2013年11月20日、もともとあった旧西之島のすぐ近くで噴火が発生し、大量の溶岩流が旧西之島をのみ込んで拡大していきました。

■噴火前の約10倍の大きさに

国土地理院が作成した地図では、2019年には面積が2.89平方キロメートルとなり、1992年の旧西之島に比べて約10倍もの大きさになりました。島の標高は、最も高いところで160メートルです。その後も噴火活動があったため、さらに島が拡大している可能性があります。

気象庁によりますと、西之島では現在も活発な火山活動が続いていますが、溶岩流を出すような噴火は2020年以降、確認されていないということです。

■硫黄島沖で新島誕生から1か月 いまも噴火続き“拡大中”

硫黄島の南にある翁浜沖で、10月21日から火山噴火が発生しています。噴出したマグマや土砂が堆積して、新しい島がつくられました。

日本テレビは11月16日に上空から取材を行いましたが、火口から水蒸気や黒い噴煙が上がり、数分間隔で火山灰や土砂などが高く噴き上がるなど、活発な活動が続いていました。白い煙は水蒸気、黒い煙はマグマと海水が混ざっていると考えられます。一連の活動で、噴煙は高い時には200メートルほどまで上がったということです。噴火で飛んだ大きな噴石も確認できました。

火山の専門家によりますと、溶岩が流れ出ていることからこの島が残る可能性もあるということです。島では現在も活発な火山活動が続いていますが、溶岩流を出すような噴火は2020年以降、確認されていないということです。

11月23日の海上保安庁による上空からの観測でも、噴火が確認されています。軽石やマグマとみられるものが噴出し、活発な状態が変わらず続いています。

新しい島全体の大きさは、南北に約450メートル、東西に約200メートルだということです。

■過去にも火山性微動と噴火が多発

硫黄島では、2022年7月から8月にかけて、さらに、10月、12月、2023年6月には火山性微動という震動が多発しています。気象庁によると、微動が観測された時には、今回と同じ翁浜沖で噴火が発生しマグマも放出されたとみられています。

■島全体で長期的な地殻変動

硫黄島では長期的に島全体で地殻変動がおきています。国土地理院による衛星を使った観測では、硫黄島のさらに北にある父島を起点として、最近「硫黄島2」という観測点が南の方向に3.8センチ動きました。「M硫黄島A」では1.1センチ、「硫黄島1」では北西方向に1.7センチ移動しています。

■島が年間で80センチ超も隆起

さらに注目すべきは、隆起のスピードと大きさです。「M硫黄島A」では短期間で3.5センチも隆起しています。過去1年間では80センチ以上も動いていて、2012年からは約10メートルも隆起しているといいます。

■海底の隆起で「沈没船」が陸上に現れる!

島全体で地殻変動がおき、海底が隆起したことで、海の底に沈んでいた沈没船が陸上に上がってきました。かつて太平洋戦争で激戦があったことで知られる硫黄島ですが、当時沈んだ船が隆起によって見えるようになったのです。

気象庁の担当者は、「硫黄島は異常な速さで島全体の隆起が続いていて、こんなにも変化する火山は珍しい」と話しています。