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「安倍は本来の敵ではない」事件直前に手紙で“犯行示唆”SNSに“統一教会”への恨み

2022年7月18日 19:31
「安倍は本来の敵ではない」事件直前に手紙で“犯行示唆”SNSに“統一教会”への恨み

安倍元首相が銃撃され死亡した事件で、逮捕された男は事件直前に犯行を示唆する手紙を送っていました。また、SNSに宗教団体への恨みを繰り返し投稿していたとみられることが分かりました。

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「オレは事件を起こすべきだった。それしか救われる道はなかったのだとずっと思っている」

山上容疑者のものとみられるSNSには、およそ3年前から旧統一教会への恨みがつづられていました。

「全ての原因は25年前だと言わせてもらう。なぁ、統一教会よ」

さらに、新たに見つかったのが犯行を示唆するような手紙です。

「安倍は本来の敵ではないのです」

銃撃事件の前日に、山上容疑者が送ったとみられる手紙。宛先は、旧統一教会を批判するブログを運営している男性です。

「私と統一教会の因縁は約30年前にさかのぼります。その間の経験は私の一生を歪ませ続けたと言って過言ではありません」

主につづられていたのは、世界平和統一家庭連合、旧統一教会への恨みです。

「母の入信から億を超える金額の浪費、家庭崩壊、破産…、この経過と共に私の10代は過ぎ去りました」

入会している母親の献金は、総額1億円にのぼるとみられ、2002年には破産しています。

山上容疑者が強い恨みを募らせたとみられているのが、教団の創始者、文鮮明氏です。

「世界中の金と女は本来全て自分のものだと疑わず、その現実化に手段も結果も問わない自称現人神」

「私はそのような人間、それを現実に神と崇める集団、それが存在する社会、それらを『人類の恥』と書きましたが、今もそれは変わりません」

「文一族を皆殺しにしたくとも、私にはそれが不可能な事は分かっています」

教団の教祖、文一族に対する強い恨みがつづられていました。

山上容疑者のものとみられるツイッターにも…

「オレが14歳の時、家族は破綻を迎えた。統一教会の本分は、家族に家族から窃盗・横領・特殊詐欺で巻き上げさせたアガリを全て上納させることだ」

およそ3年前から、繰り返し投稿していたとみられる恨み。中には、安倍元首相に関する投稿もありました。

「安倍政権に言いたい事もあろうが、統一教会と同視するのはさすがに非礼である」

「安倍政権の功を認識できないのは致命的な歪み」

旧統一教会への投稿とは一転、安倍元首相に対する“敵意”や“恨み”のような投稿は確認できませんでした。

しかし、事件前日の手紙では、安倍元首相が「本来の敵ではない」としているものの、犯行を示唆するような内容がつづられていました。

「私は『喉から手が出るほど銃が欲しい』と書きましたが、これまで、銃の入手に費やして参りました」

「安倍は本来の敵ではないのです。 あくまでも現実世界で最も影響力のある統一教会シンパの一人に過ぎません」

そして、この手紙が送られた翌日、凶弾に倒れた安倍元首相。現場の献花台は、19日の朝に撤去される予定です。

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山上容疑者が強い恨みを募らせたとみられる旧統一教会。事件後の会見で、教団の田中富広会長は「末端に至るまでコンプライアンスの徹底を進めてまいりました。2009年以降の案件で(献金などの)トラブルはありません」と述べていました。

しかし、17日に新たに「2009年以降もごく僅かですが、そうようなケース(トラブル)があるのは事実です」との声明を発表。発言は、「コンプライアンス遵守の結果が大きく表れている」という趣旨で行ったもので、「トラブルがゼロになったという意味ではなかった」と訂正しました。

その上で「記者会見以降、事実に反する内容や臆測に基づいた報道が多くなり、ヘイトクライムを誘発しかねない事態となっています」としました。

教団は、「警察の捜査に全面的に協力する」と改めて表明しています。