ワクチン3回目接種も母親が死去 娘の訴え「ひとごとだと思っていた」
18日、全国で211人の新型コロナウイルスによる死亡が確認されました。80代の母親がコロナに感染して亡くなったという50代の女性は、「3回ワクチンを打てば軽症で済むと思っていた」などと話しました。
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さいたま市内に住む50代の女性に18日夜、話を聞きました。3日前にコロナで80代の母親を亡くしました。
コロナで母親を亡くした女性(50代)
「まさかこんなにひどく(症状が)どんどん進行、こんなに速いスピードで進んでいってしまうと思っていなかったので、大変驚きました」
「本当に母親なんですけど、とっても甘えん坊なんですね。とてもほんわかしたような人でした」
女性の母親は、糖尿病などの持病があり、介護施設で生活していました。今月に入り、コロナの陽性が確認されたため、女性は母親の入院を求めましたが――
コロナで母親を亡くした女性(50代)
「基礎疾患を持っていることと、高齢なので、すぐに病院は見つかると思ってはいた。実際には全然入れなくて」
9日に陽性が判明してから4日後の13日にようやく入院。しかし、肺炎などが原因で15日に亡くなりました。
看護師が映した映像を見ながら、リモートで母親をみとったといいます。
コロナで母親を亡くした女性(50代)
「亡くなったあとに、看護師さんが乱れた髪の毛を一生懸命なでてくれて、『頑張りましたね』って。正直、わたしも当事者になるまではひとごとだと思っていた。『3回ワクチンを打てば軽症で済む』とか、そういうふうに思っていた。皆さんの大切な家族を、あんな苦しい思いをして亡くなっていくのはよくないので、早く収束を願っています」
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今、医療現場では、基礎疾患がある患者が増えています。
埼玉医科大学総合医療センター 岡秀昭教授
「私たち、コロナを診ていた医師で対処しきれない病気などがある場合は、その持病の専門性が高い先生に主治医になってもらわないといけない。そういう患者さんが増えてくると、私たちの判断だけで患者さんを受け入れることが難しいことがあります」
今後、さらに重症者が増えれば、“命の選択”を迫られることも考えられるといいます。
埼玉医科大学総合医療センター 岡秀昭教授
「診療するだけでも相当なストレスがかかっている中で、そういった(命の)選択を医療の現場で行わせるのは、非常に酷な話だと思います」
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政府は18日夜、「まん延防止等重点措置」が適用されている大阪府など17道府県について、期限を来月6日まで延長することを決定しました。一方、沖縄など5県については、期限である今月20日での解除を決めました。
17日、東京都内で初めてオミクロン株の新たな種類「BA.2」の市中感染とみられるケースが確認されました。これを受けて、小池都知事は「どういったもので、どのような性質があるのかなど、これからの発生状況や今後の動向も注視していきたい」と述べました。
18日、東京都で新たに1万6129人の新型コロナ感染者が確認されました。10日連続で前の週の同じ曜日の人数を下回りました。一方、全国では、新たに8万7723人の感染、211人の死亡が確認されました。
(2月18日放送『news zero』より)