解散命令請求を東京地裁が受理……拘置所の山上被告も「関心示す」と弁護士
13日午後8時前。東京・渋谷にある世界平和統一家庭連合、いわゆる“統一教会”の本部に、大きな荷物を持った人たちが続々と入っていく姿をカメラがとらえました。
その30分後。キャリーケースをひいた数十人ほどの集団が、一列になり本部を後にします。記者が行き先をたずねても答える人はなく、みな無言で歩いていきました。行き先はわかりませんが、“統一教会”を後にした人たち。どこへ向かったのでしょうか。
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※10月15日付 世界平和統一家庭連合の見解
「10月15日に群馬県内の教団施設で行われた宗教行事『聖和祝祭』に参加するスタッフたちで、運んでいた荷物等々は宗教行事に使用する備品の数々です。」
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別の場所でも動きがありました。それは韓国・加平にある“統一教会”の本部です。このあたりは、韓鶴子総裁がトップに位置する“統一教会の街”とも呼ばれています。
13日の昼間は誰もいませんでしたが、夜まで取材を続けると、教団の施設に次々とバスや車が入っていきます。さらに、バスを降り教団の施設に歩いて向かう人の姿も。
乗客を降ろしたバスには「山形御一行様」と書いてありました。山形からきた信者を乗せていたのでしょうか。
関係者によると、信者を集めて行われる「研修会」が開かれている可能性があるといいます。
先月26日に公開された映像には、韓鶴子総裁が「『ワンオンマ(王なる母)』 に会えば全てが解決されるのだ! 私が『ワンオンマ(王なる母)』だ! 母とひとつにならなければならない」と信者に訴える姿が映っていました。
韓国の教団本部は、次のようなコメントを発表しています。
韓国の教団本部コメント(世界平和統一家庭連合HPより)
「解散命令請求が決定されたことについて深い遺憾の意思を表明します。公正に審査を受けて判断されることを望みます」
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日本政府が裁判所に求めている教団への解散命令。13日、東京地裁はその請求を受理しました。
盛山文科相
「解散命令の請求の手続きを行い、当該裁判所において受理された。文部科学省として万全の対応をとってまいりたいと考えております」
文化庁が13日に公開した「証拠資料を運び出す映像」には、荷台に次々とのせられる段ボール箱が映っていました。段ボール箱の中には、質問権の行使によって得た情報や被害者から寄せられた情報など約5000点の証拠資料が入っていて、裁判所に提出したといいます。
教団側は請求に対し争う姿勢を示しており、今後、裁判所が解散命令を出すか判断することに。解散命令が確定すると、教団は宗教法人格を失い、税制上の優遇措置が受けられなくなります。
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ジャーナリストの鈴木エイト氏は、いま教団内で“ある動き”が起きていると明かしました。
ジャーナリスト 鈴木エイト氏
「さまざまな名目で直接、日本の信者を韓国に渡韓させて、そこで各種、修練会(研修会)に参加させる。そこで献金もさせる。ある程度、合法的すれすれのところで、日本の信者に組織的に運ばせようとしているんじゃないかと。日本でプールしているお金をいかに運ぶかとか、そこが一番目的になっている」
13日も信者を集めて開かれている可能性があるという“研修会”には、韓鶴子総裁が参加し講演することもあるといいます。
ジャーナリスト 鈴木エイト氏
「非常にひっ迫している。日本からお金が入ってきていない現状で、教団側はもうなりふり構わず」
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一方、発端となった去年7月の安倍元首相銃撃事件。殺人などの罪で起訴された山上徹也被告の裁判を前に、奈良地裁では13日厳重な警備の中、1回目の公判前整理手続きが行われました。山上被告は出席しなかったといいますが、終了後に弁護士が取材に応じました。
弁護士
「本人は元気にしています」
――解散請求がでましたが、何か言及は?
弁護士
「本人は拘置所で新聞を読んでいますので、報道されているかぎりにおいては全て知っていて、もちろん関心はある。どういうことを言っているかはここでは申し上げられない」
――関心は示していた?
弁護士
「当然ですね」
(10月13日放送『news zero』より)
(2023年10月16日追記)
※初出時、誤解を与えかねない表現があったため、見出しと本文の一部を修正しました。