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“統一教会”解散命令請求で今後は……100億円超?「財産隠し」に懸念 「深刻な財政的困難」「お母様を慰めたい」献金求める

2023年10月13日 10:49
“統一教会”解散命令請求で今後は……100億円超?「財産隠し」に懸念 「深刻な財政的困難」「お母様を慰めたい」献金求める

政府は、世界平和統一家庭連合、いわゆる“統一教会”への解散命令を東京地裁に請求すると正式に決めました。弁護士によると最高裁まで争われ、解散命令の決定まで時間を要する見通しです。財産隠しが懸念され、野党ではそれを防ぐ法案を作る動きがあります。

■写真には教団トップも…献金呼びかけ

有働由美子キャスター
「13日にも解散命令請求ということですが、“統一教会”ではある動きがありました。10月、アメリカ・ラスベガスで撮影された写真があり、真ん中には教団トップの韓鶴子(ハン・ハクチャ)氏がいて、周りに各国の幹部が“指ハート”をして写っています」

「ホームページでは『真(まこと)のお母様への愛の贈り物』と題し、『私たちの運動が世界中で、特に日本とアメリカで深刻な財政的困難に直面している』『私たちは頼まれなくても、親孝行の心でお母様を慰めたいと思います』などと記載されています」

「このように自ら深刻な財政危機を認め、献金を呼びかけています」

■請求命令確定まで「長くても1年半」か

小栗泉・日本テレビ解説委員長
「紀藤正樹弁護士によると、韓国の本部に集まる金の5割以上を日本の教団が占めるとされています。もしその教団に解散命令が出されたら、影響は大きいと言えます」

有働キャスター
「実際に解散命令は出されるのでしょうか?」

小栗委員長
「紀藤弁護士は『政府も証拠集めなどをして裁判所が解散命令を出すと自信を持っているはず。解散命令は出るだろう』とみています」

「ただ、それが確定するまでには時間がかかりそうです。過去にオウム真理教では7か月、明覚寺では3年かかっています。紀藤弁護士によると、今回も最高裁まで争われ、長くても1年半ほどではないかといいます」

■解散命令が出ても「布教活動」は可能

小栗委員長
「そこで懸念されるのが財産隠しです。紀藤弁護士によると、教団の財産は100億円以上。高裁が解散命令を決定した時点で裁判所が選んだ『清算人』が教団の財産を清算し、被害者の救済などに充てられます」

「ただ、解散命令が出るまでの間に海外などに財産を移す恐れがあるといいます」

有働キャスター
「何とかならないのでしょうか?」

小栗委員長
「立憲民主党や日本維新の会は、解散命令請求を受けた宗教団体の財産を別の所に移せないようにする法案を、臨時国会に提出する考えを表明しています。ただ複数の政府関係者は、『この野党案では他の法律との兼ね合いなどで難しい』との見通しを示していました」

有働キャスター
「もう一つ気になるのは、解散命令が出たら“統一教会”はなくなるのかどうかです」

小栗委員長
「宗教法人格を失うと税制上の優遇措置は受けられなくなりますが、解散命令が出されたとしても、宗教団体として布教活動は引き続き行うことができ、高額献金など新たな被害が生まれる恐れがあります」

■廣瀬さん「逃げ道を作れない法案を」

廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「本来宗教というのは、悩んでいる時など、生きていく中でサポートしてくれるものだと思うので、その人の弱みにつけ込んできたということで、信じてきた人は本当にかわいそうだなと思いました。今後新たに逃げ道を作らないための法案を作るのは、他の宗教を守るためにも重要だと思います」

有働キャスター
「解散命令を出すかどうかは裁判所が判断しますが、これまで国が把握しただけでも、損害賠償や解決金などを含めて200億円以上の被害が確認されています。こうした被害が二度と出ないようにする仕組みづくりも、引き続き強く求められます」

(10月12日『news zero』より)