【予報士解説】九州ふたたび大雨の恐れ…土砂災害に警戒を 7月上旬なぜ豪雨災害が多い?【バンキシャ!】
九州を中心に西日本では記録的な大雨が降りました。今後の雨の見通しについて、気象予報士の伊藤宏幸さんが解説します。(バンキシャ!)
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今回の大雨で、山口県ではこれまでに1人が亡くなり、美祢市では、1人の行方が分かっていません。また、大分県由布市では1日、土砂崩れに住宅が巻き込まれ、住人の男性1人と連絡が取れなくなっています。雨が一時的にやんでいる場所でも、引き続き警戒が必要です。
■今後の雨
九州ではふたたび大雨になる恐れが出てきています。2日夜からの雨雲のようすを見ると、九州には西から雨雲が流れ込んでくる予想となっていて、日付が変わってからは発達した雨雲も予想されています。3日は局地的には一時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降る恐れがあります。
3日夕方にかけての予想雨量は、多いところで200ミリ。そして4日にかけて、さらに雨量は増えていきそうです。土砂災害には警戒が必要です。
雨の降りやすい状態は、この先しばらく続きそうです。3日から4日にかけては、梅雨前線が九州付近に停滞する見込みで、九州では断続的に雨が降り続く予想となっています。
5日(水)以降は、梅雨前線上の低気圧が日本海に進んできます。西日本には湿った空気が流れ込み、広範囲で雨雲が発達しやすくなりそうです。
そして、6日(木)、7日(金)、8日(土)と、梅雨前線は日本付近にずっと停滞するような状態です。いつどこで大雨になってもおかしくない状態が続きそうです。
■警戒を
土の中の水分はすぐには抜けていきません。九州や山口県などは、これまでの大雨で地盤が緩んでいる所があり、少しの雨でも災害につながる恐れがあります。気象情報をこまめに確認し、少しでも危険を感じたら、早めに避難するようにして下さい。
■週間予報
この先も、西日本を中心に雨の降る日が続きそうです。東京も月曜日に傘マークがあります。日中に晴れ間はありそうなのですが、天気が急変して午後は激しい雷雨になる可能性があります。水曜日以降は、傘マークのないところでも前線の位置によっては雨が降る可能性があります。
■7月前半はなぜ豪雨災害が多い?
7月の第一週はこれまで、九州北部豪雨や西日本豪雨など災害が相次いでいます。7月の前半は梅雨の最盛期で、前線に向かって暖かく湿った空気が、一段と流れ込みやすくなっています。そのため、梅雨前線の活動が活発になりやすく、7月前半は、毎年のように大きな災害が発生しています。警戒が必要です。
(*7月2日放送『真相報道バンキシャ!』より)