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Amazonが「ふるさと納税」参入……返礼品“最短翌日”、「ドライバー不足」どう対応? 競争激化で利便性増す?

2024年12月20日 9:17
Amazonが「ふるさと納税」参入……返礼品“最短翌日”、「ドライバー不足」どう対応? 競争激化で利便性増す?

Amazonがふるさと納税に参入しました。ドライバー不足が懸念されますが、一部の返礼品は最短で翌日に届くことがメリットです。12月5日からはYahoo!も加わり、競争が激化。企業側のビジネスチャンスや利用者が気をつけるべき点を専門家に聞きました。

■寄付総額、過去最多の1兆円超え

藤井貴彦キャスター
「野口さんはふるさと納税を利用されていますか?」

野口啓代(スポーツクライミング五輪銅・『news zero』木曜パートナー)
「私も利用しています。ランキングを見ながら選ぶのも楽しいですよね」

藤井キャスター
「そういった方は多いと思いますが、ふるさと納税の利用者は2023年に初めて1000万人を超え、寄付総額は2023年度に過去最多の約1兆1175億円でした。ここに19日から、ネット通販大手のAmazonが参入しました(一部の利用者は段階的に展開)」

「年末にかけて駆け込みの申し込みをする人も多い中で、気になるニュースですね」

■全国に築いてきた配送拠点を活用

小栗泉・日本テレビ解説委員長
「ふるさと納税の仲介サイト業者は、『さとふる』『ふるなび』『楽天ふるさと納税』といった特定事業者だけでも既に20社以上に上っています。Amazonのふるさと納税には既に約1000の自治体が参加しています」

「普段使い慣れたサイト上で寄付ができる点や、これまで全国に築いてきた配送拠点などを生かし、事前にある程度の数の返礼品を随時保管しておくことで、一部の返礼品は最短で翌日に届く点がメリットだということです」

「12月中には数千点が、翌日配送の対象になる見通しだということです」

藤井キャスター
「これまで返礼品がいつ届くかわからない状態が多かった中で、早く届くようになるということですね」

■担当者「できる限り置き配を利用」

藤井キャスター
「ただその分、配送をめぐっては2024年問題でドライバー不足も指摘されています。その点は大丈夫なのでしょうか?」

小栗委員長
「Amazonの担当者は『できる限り置き配を利用してもらうなど、ドライバーの負担軽減につなげる』と言います」

藤井キャスター
「自治体側は、Amazonの参入についてどう思っているのでしょうか?」

小栗委員長
「干し芋を返礼品としている茨城・水戸市の担当者は『まだふるさと納税をやっていない人に知ってもらうには魅力的なサイト。より多く寄付してもらうことを期待している』と話していました」

「ただ、すぐ発送するには返礼品を配送拠点に置いておくためのコストや、在庫が無駄になるリスクなどもあるため、水戸市は今のところ翌日配送には対応していないということです」

■返礼品は40万件以上…Yahoo!も

小栗委員長
「また、12月5日からはYahoo!もふるさと納税に参入しました。今までYahoo!ショッピングを利用していた人がそのまま使え、40万件以上の返礼品を取り扱っています」

藤井キャスター
「競争がどんどん激しくなっていきそうですね」

小栗委員長
「ふるさと納税に詳しい慶応大学の保田隆明教授は、『ふるさと納税の利用者は高所得で納税額が多い人がたくさんいるので、企業目線ではふるさと納税以外のビジネスにもつなげられる良い顧客。既に参入している企業にとってはAmazonは脅威になる』と指摘します」

「保田教授は、競争が激しくなることでふるさと納税の利便性は増すと見通しています。一方で『利用する側としては、自分にとって良い返礼品を選ぶだけではなく、納税した自治体がそのお金をどう使っているのかきちんと調べることが大事だ』と話しています」

野口さん
「最近ではクライミングのグッズや体験も返礼品になっているので、自分が応援している市町村やスポーツを盛り上げる1つのきっかけになると思います」

(12月19日『news zero』より)

最終更新日:2024年12月20日 9:17