東北地方で震度6強も福島沖ではその後も地震相次ぐ
ここ最近の気になる地震活動について掘り下げる「週刊地震ニュース」。先週は、福島県沖を震源とする震度6強の地震がありました。
16日の夜、福島・宮城で震度6強の地震。30センチの津波も。地震の福島沖では1年前にもM7超の地震がありました。同じ場所で短期間に大きな地震。宮城沖では過去にも同じエリアでM7クラスの地震が相次いだことがあります。
16日水曜日午後11時36分頃、福島沖を震源とするマグニチュード7.4では宮城県登米市、蔵王町や福島県相馬市、南相馬市、国見町で震度6強を観測しました。
この地震で、家屋の一部損壊や東北新幹線も東京発仙台行きの「やまびこ223号」が脱線する被害がありました。
営業中の新幹線車両の脱線は中越地震以来のことです。総務省消防庁のまとめでは3人が死亡し200人以上がケガをしたということです。
また津波注意報が宮城と福島の沿岸に発表され、石巻港では30センチの津波を観測しています。今回の震源の福島沖では、1年前の2月にほぼ同じ場所で、マグニチュード7を超える地震がおきていました。
去年と今年の地震、何が違うのか?
先週16日の地震では、震源から北の方向に向けて余震活動が広がっていますが、去年2月の時は南の方向にかけて地震が相次ぎました。破壊された地下の断層が、それぞれ異なるということです。
地震の専門家・草野さんは「ほぼ同じ場所で短期間のうちに、マグニチュード7を超える地震が2回も発生するのは、珍しい現象」だといいます
今回より少し北側の宮城県沖では、狭い範囲で1933年にM7.1、1936年にM7.4、1937年にM7.1と短期間のうちに、M7を超える地震が3回発生したことがあります。
こういった地震を「双子地震」や「3つ子地震」などと呼ぶことも。
また18日の夜には、岩手県沖の深さは18キロを震源とする、マグニチュード5.6の地震がありました。最大震度は、岩手県野田村(のだむら)で震度5強を観測しました。
福島沖と岩手沖の地震、何か関連は?
福島県沖と岩手県沖の地震は、共に3・11の震源域内であり、3・11の影響を受けたものと考えられます。ただ、東北の太平洋側の断面図を見ると岩手沖の震源は、深さ18キロで「陸のプレート内」で発生、福島沖の震源は深さ57キロで「太平洋プレート内」で発生したことがわかります。
距離も離れていることから気象庁は「直接の関連性はないと考える」とみています。
きのうまでの1週間に国内では震度1以上の地震が114回発生しています。東北地方に限らず、日頃の備えを大事にして下さい。
以上、「週刊地震ニュース」でした。