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ふるさと納税で修復中の茅葺き民家「旧中村家」 基礎工事のための“曳家”を一般公開 建物を壊さず40~50メートル横へ移動 学芸員による解説も実施予定 岐阜・飛騨市

2024年9月11日 19:08
ふるさと納税で修復中の茅葺き民家「旧中村家」 基礎工事のための“曳家”を一般公開 建物を壊さず40~50メートル横へ移動 学芸員による解説も実施予定 岐阜・飛騨市
曳家が行われる茅葺き民家「旧中村家」(画像提供:飛騨市)

ふるさと納税の寄付金によって修復が進められている、飛騨みやがわ考古民俗館の茅葺き民家「旧中村家」について、基礎工事に伴う“曳家”が一般公開されることになりました。

“曳家”とは、建築物などを解体せずそのままの状態で移動させる工法のこと。飛騨市によると、茅葺き民家で曳家が用いられるのは非常に珍しいということです。

今回の曳家は、基礎工事のため一時的に40~50メートルほど移動させるもので、基礎工事が完了したら、再度曳家を行い元の場所に戻します。元に戻すための曳家は降雪前の11~12月頃になる予定で、その際の一般公開も検討中とのことです。

「旧中村家」は明治初期に建てられた合掌造りの農家建築で、市の文化財にも指定されています。1990年に宮川村に寄贈、1991年には宮川町洞から飛騨みやがわ考古民俗館の敷地内に移築されましたが、約30年が経過して土台の傾きや屋根の損傷がみられるようになっていました。

2020年から飛騨市ふるさと納税で寄付を募ったところ、2023年までに約6000万円が集まりました。修復費用をふるさと納税で募った理由について「当時の村で大切にされていた唯一の合掌造りの古民家だったが、町村合併などにより、その価値を共有しづらいことが課題となっていた。単にお金を出して修復するのではなく、ふるさと納税を通じて多くの方と価値を共有することで、100年後200年後も継承していける」と担当者は話します。

修復工事完了後の「旧中村家」は、イベントや宿泊・合宿施設としての活用が検討されています。

曳家の一般公開が行われるのは、9月15日・16日の午前9時から午後4時半まで。事前予約などは必要なく、誰でも見学可能。各日午前10時と午後2時には、学芸員による修復経緯や施工内容の解説を実施するということです。

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