×

南海トラフ震源域で6弱〝影響はしない”そのワケは…

2024年4月19日 11:27
南海トラフ震源域で6弱〝影響はしない”そのワケは…

愛媛県と高知県を襲った震度6弱の地震。けが人も確認されており、一夜明けて被害の状況も明らかになってきた。南海トラフ地震の震源域内で発生した地震だが関連はあるのだろうか。

愛媛県で震度6弱、明らかになった被害状況

4月17日午後11時14分頃、豊後水道を震源とするマグニチュード6.6の地震が発生。愛媛県内では愛南町で震度6弱を観測したほか、宇和島市で震度5強、八幡浜市や大洲市などで震度5弱を観測した。四国電力によると、愛媛県の伊方原発では運転中の3号機で、発電機の出力が約2%低下したが、運転に影響はないという。

地震から、一夜明けて被害の状況も明らかになってきた。宇和島市の飲食店では、約300枚の食器が棚から落ちて床に散乱。朝から、店主らが後片づけに追われていた。愛媛県によると、地震の影響で松山市や宇和島市などで5人がケガをしたが、全員軽傷ということだ。

高知県宿毛市でも震度6弱を観測。四万十市や土佐清水市、梼原町など7市町村で震度4を観測したほか、高知市を含む広い範囲で震度2から3を観測。宿毛市では、40代の男性が過呼吸で救急搬送されたが、命に別条はないということだ。

また宿毛市内では、水道管の破損で一時20軒ほどが断水したが現在は復旧。しかし、水がにごるなどの影響が発生しており、市役所に給水車が派遣され対応が行われている。

梼原町では、町道が落石と倒木でふさがれ、5世帯10人が一時、孤立状態へ。復旧作業が進められ、現在は通行が可能になっている。

気象庁「南海トラフ巨大地震の可能性は高まっていない」

愛媛県と高知県で震度6弱を観測した地震について、気象庁は会見を実施。今回の地震について、「南海トラフ巨大地震の想定震源域の中でが発生したが、想定されるプレート境界の地震とはメカニズムが異なる」とは発表。続けて、地震の規模が小さいことから、「南海トラフ巨大地震の発生の可能性が高まったとは考えていない」と話した。

18日午前10時までに、震度6弱の地震を含め、愛媛県では震度1以上の地震が26回発生し、その後も地震が相次いでいる。

気象庁は揺れの強かった地域では、地震発生から1週間程度、最大震度6弱程度の地震に注意してほしいと呼びかけてた。

南海トラフだけでなく“直下地震”への備えも重要

最近では今月8日に宮崎県沖で大きな地震が発生。そして17日夜、南海トラフ巨大地震の震源域の中で、マグニチュード6.6の地震が発生、愛媛県と高知県の一部では最大震度6弱を観測。気になるのは、南海トラフ巨大地震との関連だ。

気象庁は、「規模が小さい」、「メカリズムが違う」という点から、南海トラフ巨大地震の発生の可能性が高まったとは考えていないとしている。気象庁によると、南海トラフ巨大地震はプレートが“ぶつかる境界”で起こる地震。しかし今回の地震は、フィリピン海プレート内で発生していることから、地震発生における“メカニズムの違い”が考えられる。

地震学を専門とする、「愛知工業大学」の横田崇教授は、「直接的な関係は低いが、地震はいつ起きるか分からない」と話す。続けて、「南海トラフ巨大地震だけでなく、直下地震への備えもしっかりしてほしい」と呼びかけた。

中京テレビのニュース