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相次ぐチョコレートの値上げ カカオ豆高騰で銅の先物価格を上回る 来年のバレンタインデーにも影響が…

2024年4月10日 11:45
相次ぐチョコレートの値上げ カカオ豆高騰で銅の先物価格を上回る 来年のバレンタインデーにも影響が…
数年前から続くカカオ豆の高騰

チョコレートの原料であるカカオ豆がかつてないほど高騰し、なんと“銅”を上回る高値となっています。売り上げの6割をチョコレートに頼っている伊賀市の菓子メーカーは、厳しい決断を迫られていました。

老舗メーカーを苦しめるカカオ豆の価格高騰 「こんなに価格が高くなるのは初めて」

「ちょっと困りますね」「大好きなので悲しいですね」「値上がりすると自分のお金で買えなくなっちゃう」と街の人がショックを受けていたのは、チョコレートの値上げ。この春、チョコレート菓子の値上げが相次いでいるのです。

一体、チョコレートに何が起きているのでしょうか。

三重県伊賀市にある栄光堂ファクトリーの工場を訪ねてみると、蜜に漬けたりんごにチョコレートをコーティングしたものや、ラムレーズンが混ぜられたホワイトチョコレートが作られていました。ここは140年以上続く菓子メーカーで、チョコレートが売り上げの6割を占める主力商品となっています。この老舗菓子メーカーを苦しめているのが、カカオ豆の高騰。

先月、ニューヨーク市場では一時、カカオ豆のの先物価格が初めて1トンあたり1万ドルを超え、主要金属である銅の先物価格を上回ったのです。

栄光堂ファクトリー伊賀工場 黒田秀臣 工場長:
「こんなに価格が高くなるのは初めてなので、手配してある分は今までの価格でできますが、次に買う分は在庫がなくなったら(価格が)3倍ぐらいになる」

カカオ豆の値上がりはここ数年続いていて、去年、メイン商品の販売価格を泣く泣く値上げしたばかりだといいます。

カカオ豆が不作で争奪戦が激化 本格的な影響はまだこれから…

これまでにないほどのカカオ豆の値上がり。その原因は、西アフリカなどの主要な産地が天候不良などで記録的な不作になり、世界的にカカオ豆の“争奪戦”が激化していることにありました。

食品値上げに詳しい帝国データバンクの飯島大介さんは、カカオ豆の価格は今年の初めごろから急上昇し始めたため、本格的な商品への影響はこれからではないかと指摘します。

帝国データバンク 飯島大介さん:
「カカオ豆の価格上昇分を十分に転嫁できているかというと、できていないのも実情。来年のバレンタインデーの時には、目にみえて買いづらくなっている、明らかに量が減っているという状況が、もしかすると起こっている可能性もありますね」

老舗菓子メーカーも直面する、これまでにない“カカオショック”。

栄光堂ファクトリー伊賀工場 黒田秀臣 工場長:
「1年2年先はどうなっているのか…。工場は稼働させないといけないので、仕事がなくなるわけにはいけないので、どうしようかと…。読めないところが大きいので、非常に困っているような状況です」

この会社では今後、一部の商品の内容量を減らし、価格を1割ほど上げる方針です。カカオ豆の高騰が続けば、今後さらにチョコレートの値段が上がってしまうかもしれません。

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