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入管施設の映像公開…妹「頭から最後まで姉はずっと」 法相は“勝手に編集し公開”

2023年4月8日 1:40
入管施設の映像公開…妹「頭から最後まで姉はずっと」 法相は“勝手に編集し公開”

入管施設で死亡したスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさんの遺族らが、収容中の映像を公開したことについて、斎藤法相は7日、「原告側が勝手に編集しマスコミに公開した」などと述べました。こうした中、私たちはウィシュマさんの妹たちに話を聞きました。

    ◇

仲良し3人姉妹の長女、スリランカ人のウィシュマさんは2021年、名古屋の入管施設で亡くなりました。33歳でした。妹たちは7日夜、「news zero」に苦しい胸の内を明かしました。

ウィシュマさんの妹・ポールニマさん(28)
「映像を見るたびに我慢できません」

ウィシュマさんの妹・ワヨミさん(30)
「私たちも何回も何回も死ぬほど苦しく、心に映像が残って消えません」

遺族側は“施設内で必要な治療を受けられなかった”などとして国を提訴しています。国側は「対応は違法ではない」として、訴えを退けるよう求めています。

遺族側は「当時の状況を知ってほしい」と、ウィシュマさんが“息を引き取る直前”の施設内の映像を公開しました。

    ◇

ウィシュマさんは亡くなる12日前の2021年2月、弱々しい声で“自力で飲み物も飲めない”と訴えていました。

ウィシュマさん(亡くなる12日前)
「1個も何もできない、私いったでしょ…飲むのも難しい…」

その翌日、亡くなる11日前にウィシュマさんは、「私、今日夜、死ぬ」とこぼしましたが、看護師は「大丈夫、死なないよ。サンダマリ死んだら困るもん」と話していました。

その後も、「病院もっていって、お願い…。息もできない」と訴えるウィシュマさん。

「病院に行けるようにボスにお話しするけど、今日、行けるかどうかわからないから」とする入管職員に対し、ウィシュマさんは「今、やってあげて…」と伝えますが、入管職員は、「連れて行ってあげたいけど、私の力では、私パワーないから、できない。権力ないからさ」と話しました。

“病院へ行きたい”という訴えは聞き入れられませんでした。

    ◇

亡くなる4日前には、看護師に体を動かされる様子が映っていました。

看護師
「重たいわーサンダマリ重たいわー。こっちに頭動かそう…1、2、はいはい」

ウィシュマさん
「あぁ…」

別の看護師
「痛くてもしようがないよ、自分で動けないからさぁ。ちょっとは我慢して」

結局、一度も点滴が打たれることはなく、体重は収容前よりも21.5キロ減少していました。

    ◇

映像は国側が証拠として裁判に提出したものの一部で、今後、法廷での上映も予定されていました。

今回の遺族側の映像公開に、斎藤法相は7日、「(裁判所で取り調べ予定の)約5時間分のビデオ映像の一部を原告側が勝手に編集して、マスコミに提供して公開したものだと承知している」と述べました。

“この言葉の意味すること”は、どういうことなのか。

元大阪地検検事 亀井正貴弁護士
「(民事)裁判で出す予定の証拠を出すこと自体の違法性はない」
「(国側は)もともと裁判のために出したのだから、裁判以外のところで勝手に出すなよと。出すんだったら、加工して一部で印象操作するように見えるようなことをせず、全部出せよと」

    ◇

映像には、ウィシュマさんが亡くなる当日、“最期の様子”も収められていました。

入管職員
「指先、ちょっと冷たい気もします」

インターホン
「あ、そう。脈とれるかな?」

入管職員
「サンダマリさーん!」

インターホン
「呼吸は?」

入管職員
「 サンダマリさーん! サンダマリさん!」

しかし、ウィシュマさんが呼びかけに応じることはありませんでした。

    ◇

妹のワヨミさんは「(今回公開しなかった映像含め)全ての映像の頭から最後まで、姉はずっと苦しんでいるんです。人を放置して死なせてしまうような制度を変えてください」と訴えました。

(4月7日放送『news zero』より)

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