「よく酔っ払って帰ってきてた」知人が語る暮らしぶり 「桐島聡」名乗る男が死亡
50年近く逃亡を続けている「桐島聡」容疑者。その桐島容疑者を名乗る男が29日、入院先の病院で死亡したことが確認されました。男は本当に桐島容疑者なのでしょうか。知人がその暮らしぶりを語りました。
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突如現れた重要指名手配されている桐島聡容疑者を“名乗る男”。
捜査関係者によると、男は1年ほど前に末期の胃がんと診断され今月中旬から神奈川県鎌倉市の病院に入院していましたが、「死ぬ時くらいは本名で死にたかった」と衝撃の暴露。それから4日が経った29日朝、死亡が確認されました。
“桐島を名乗る男”を知る近所の男性に話を聞きました。
近所の人
「内田だよ。(周りが)内田くん、内田くんって呼んでたから、俺たちも内田、内田って言ってた」
男は、桐島聡ではなく、内田洋の名前で生活していたことが明らかになりました。藤沢市にある工務店で住み込みで働いていたといいます。
近所の人
「坂道のところコンクリしてあるじゃん? あれも全部、内田がやったんだ」
近所の人によると、歩きづらい道路を自ら舗装することもあったといいます。
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50年前、東京・丸の内の三菱重工ビル前で起きた“戦後最悪の爆弾テロ事件”。8人が死亡、380人が重軽傷を負いました。
当時、相次いだ大手企業を標的にした爆破事件。大学生だった桐島容疑者は過激派「東アジア反日武装戦線」のメンバーで、一部の爆破事件に関与したとして指名手配されました。
50年の時を経て現れた桐島を名乗る男。捜査関係者によると、「ウチダヒロシ」という名前で入院していたといいます。入院前の男の生活ぶりについて、近所の人に聞きました。
近所の人
「(今の住居に)30年くらい、いるんじゃないの。ちょくちょく会ってたよ。ここの工事やったりさ、なんだかんだ堂々としているから」
数十年前から工務店で住み込みで働き…
近所の人
「前はよく酔っ払って帰ってきてたよ。自分でバンドみたいなのやってたんだ、昔」
――音楽をやっていた?
近所の人
「ギター弾いたり、なんだかんだやってたよ」
男性によると、トラブルで警察官が駆けつけたこともあったといいます。
近所の人
「騒音トラブルで来たんだから、警察が。それからラジオも一切かけないようになった。警察だってわかんないだろ、多分。顔がまるっきり違うもの」
――最後に会った時は?
近所の人
「1か月くらい前、1か月くらい見ないな。『何? きょう仕事休みかよ』と聞いた。『具合悪くて病院行くんだ』ってさ。ちゃんと歩いてたよ。ただ、痩せたって感じ」
別の男性は2週間ほど前、“路上で倒れていた男を助けた”と話します。
“桐島”名乗る男を助けた人
「『大丈夫? 大丈夫?』って言って、うーんって感じで、2人で抱えて(自宅まで)連れてった。しゃべるのがやっとなくらいな感じ」
「言っちゃ悪いけど(部屋の中は)乱雑な感じ。どこで寝泊まりしてるのかなって。座るところすらないような感じだけど」
――体形は?
“桐島”名乗る男を助けた人
「もうガリガリ。(手配書より)3分の2くらいまで痩せてる」
その後、救急搬送された男。25日に「桐島聡」を名乗り、家族構成や本籍など本人しか知り得ない話をしたほか、桐島容疑者が指名手配された「韓国産業経済研究所」爆破事件の当時の状況についても話したことが新たにわかりました。
警視庁は、桐島容疑者の親族のDNA型と照合するなどして本人確認を進めています。
(1月29日放送『news zero』より)