×

わさび生産量が激減 日本有数の産地・静岡市が台風15号で…

2022年11月9日 22:45

日本有数のわさびの産地がピンチを迎えています。今年9月下旬の台風15号で壊滅的な被害を受けた静岡市の「わさび田」を取材しました。

   ◇

料理の脇役・わさびが主役となるメニューを提供する東京・台東区の「伊豆の味 そうだら」。イワシ節と一緒に食べるわさび丼です。ひらがなの「の」の字を書くようにおろすのがポイントで、その味は、甘みの後に上品な辛みが味わえるといいます。

この店では、静岡の伊豆産を使用しています。しかし…

伊豆の味そうだら 小林雄太郎店主
「今年の天候不良と、わさびの値段が高くなっている。ちょっと待ってくださいみたいな連絡が(きょう)来たんですね」

わさびは、天候の影響を特に受けやすいといいます。

   ◇

農林水産省によると、後継者不足もあり、去年の国内生産量は約1900トンと、15年前の2007年の約4300トンと比べ、6割以上も減少する中、わさび生産量全国1位(※根茎)の静岡で、生産量がさらに落ち込む危機的な状況が起きているのです。

静岡市は、県内では伊豆市に次ぐ“わさびの産地”です。山奥にある「わさび田」では、石垣を積み上げた棚田に清流を掛け流して栽培しています。

ところが、9日に訪れたその「わさび田」は、大きな石があちらこちらに散乱していました。美しさすら感じたわさび田が、荒れ果ててしまっていたのです。壊滅的な被害の原因は、今年9月下旬の台風15号です。

わさび農家 山崎貴正さん
台風で畑が土砂と一緒に流されて。最初見たときは廃業も考えたんですけど」

静岡市では、9月としては観測史上最多となる、24時間で400ミリの雨が降り、この「わさび田」でも石垣が押し流されました。

冬に向け収穫予定だったわさびも――

わさび農家 山崎貴正さん
「ダメ。軽い、スカスカ」

9割以上が売り物にならず、静岡県や静岡市によると、静岡市全体の被害も、把握できているだけで5億円を超えています。(※わさび田や石垣の被害:約4億4000万円 わさびの被害:約8000万円)

わさび農家 山崎貴正さん
「場所が場所なんで、重機も入らないので、(復旧は)全部手作業でやらなくてはならないので、想像がつかないね、何年もかかるだろうから。一歩一歩前に進んでいかないと」

静岡市は、農地復旧のための補助金など、支援を進める予定です。