“ぶつかりおじさんに殴られた” 都内の駅で被害訴え相次ぐ…トラブル多発の背景は
「ぶつかりおじさんに殴られた」というSNSの投稿。通勤客で混み合う東京都内の駅で、突然、殴られたと被害を訴える人たちがいます。トラブルが相次ぐ背景とは。
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午前8時半のJR田町駅。
記者
「通勤する方が駅からどっと押し寄せています」
「エスカレーターで並んでいる人をかき分けながら駅に向かう人もいます」
駅から出てくる人のすきまをぬって歩く人たちが。中には…
記者
「駅から人が押し寄せているんですが、その中を逆走する人もいます」
流れに逆らって歩く人も。駅前の通路は通勤客であふれてしまい、駅に向かう人の歩くスペースがなくなっていました。
地域住民
「駅から来る人と、こちらから上る人がうまくすれ違えなくて、ぶつかってしまうというのは、しょっちゅうあります」
通勤で利用
「 (人が)きて、きて、ぶわー!みたいな感じ。流れにのりながら、こっちに出てくるみたいな」
通勤ラッシュの“危険な混雑”。
この中で、ケガに発展するトラブルが相次いでいます。
先月、SNSに投稿された、「ぶつかりおじさんが追いかけてきて後頭部を殴られました」という訴え。被害を訴える男性は、10月21日、田町駅から会社に向かっていたところ…
被害を訴える男性
「その時間帯は右側通行で、地面に矢印が書いてある。相手はそれを無視して逆走してきた。お互い半歩よければ、よけられるのに、そのままドーンとぶつかってきた」
すると…
被害を訴える男性
「10メートルぐらい歩いたところで、後ろからドドドっとすごい足音が聞こえて、振り向きざまに私の後頭部に、目撃者によると、全力で振りかぶったパンチがあたった」
男は男性の胸ぐらをつかむと、膝で頭を蹴り「地域住民をなめるな!」と怒鳴っていたといいます。男性はその後、病院へ。脳しんとうと打撲で全治2週間のケガと診断されました。
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被害の訴えはほかにも…
被害を訴える女性(Xより)
「朝8時42分から43分頃、一方的に私を蹴飛ばし殴ってきた」「私は骨折しました」
今年4月、すれ違った男が突然「邪魔なんだよ」と言いながら殴ってきたという女性。ろっ骨を折る大けがをしたといいます。
2人とも、警視庁に被害届を提出したということですが、なぜ、トラブルに発展するほどの“危険な混雑”が起きているのでしょうか。
現在、田町駅では、駅の通路を広げる工事を行っていて、去年、東口に2か所あった階段やエスカレーターのうち1か所を撤去。その結果、人の流れが片方の階段に集中してしまっているのです。
工事が始まってから港区には「肩がぶつかった」などの苦情が相次いだため、ポールをたてるなどの対策をしていますが…
港区品川駅周辺街づくり担当 冨永純課長
「通行空間を確保する効果はある程度見込まれていますが、それ以上に、通行する方のルール・マナーをコントロールするのが非常に難しい」
この工事が終わるのは、2028年度末。4年以上、今の状況が続くことになります。
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区は、オフピーク通勤を依頼するなど、混雑緩和への対策を続けるとともに、譲り合って通行してほしいと呼びかけています。