「袴田事件」再審請求審 法医学者らの証人尋問が始まる
静岡県で一家4人が殺害されたいわゆる「袴田事件」の裁判のやり直しを求めた東京高裁での再審請求審で、22日から法医学者らの証人尋問が始まりました。
1966年、静岡県で一家4人が殺害された「袴田事件」で、死刑が確定した袴田巌さんは、2014年、静岡地裁で再審開始が認められ釈放されましたが、この決定に検察側が不服を申し立て、現在、東京高裁で再審についての2度目の審理が行われています。
最大の争点は、事件から1年2か月後に現場近くの「みそタンク」から発見された「犯行時の着衣」とされた衣類に付着していた血痕の色についてです。
弁護側は、1年以上みそに漬かった衣類に血痕の「赤み」が残ることはありえず、証拠がねつ造されたと主張しています。
弁護人によりますと、22日、東京高裁では、非公開で証人尋問が行われ、弁護側の鑑定書を書いた法医学者が、「通常の条件下で、1年間みそ漬けになれば、赤みが残ることはない」などと証言したということです。
来月1日には検察側が請求した法医学の専門家の証人尋問が行われる予定です。