マラソン完走後に男性が心肺停止 大学院生と教員が“連携プレー”で救命
先月、岩手県で開催された市民マラソンに参加した男性が、フルマラソンを完走した後、心肺停止となりました。現場に偶然居合わせた健康科学を研究する大学教員と看護師免許を持つ大学院生が命を救いました。
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28日、感謝状が贈られたのは、新潟大学大学院で学ぶ山崎幸歩さんと、新潟大学・准教授の村山敏夫さん、特任助教の亀岡雅紀さんの3人です。
新潟大学大学院 山崎幸歩さん
「このような立派な感謝状を頂くことができて、ありがたい気持ちでいっぱいです」
マラソンが共通の趣味だという3人が参加したのが、先月、岩手・盛岡市で行われた「いわて盛岡シティマラソン2022」です。山崎さんと亀岡さんは無事にフルマラソンを完走。思わぬ事態に遭遇したのは、ゴールした後、駐車場へ向かうシャトルバスの車内でした。
人の前に座っていた70代の男性が突然倒れ、心肺停止となったのです。亀岡さんが山崎さんに「幸歩できる?」と聞くと、山崎さんは「はい、できます!AEDをお願いします」と即答。大学院生の山崎さんが、すぐに救命活動にとりかかりました。看護師免許を持っていて、直ちに心臓マッサージを行ったといいます。
新潟大学大学院 山崎幸歩さん
「私がもうやらなくちゃいけないと。亀岡さんの言葉があって、次の行動にすぐにうつれた」
その後、別のバスに乗っていた山崎さんの先生で教員の村山さんも駆けつけて、心臓マッサージを続けました。さらに村山さんの教え子である亀岡さんが探してきたAEDで、電気ショックを与えました。
偶然居合わせた3人による連携プレー。そして男性を救急隊に引き渡すと、救急車の中で男性の意識が戻ったといいます。
新潟大学大学院 山崎幸歩さん
「(男性が回復し)とにかく安心した。とてもうれしい気持ちになりました。こういった救命の場面、いつ何かが起きるかわからない中で、自分は動ける人になりたいなと思います」
3人が助けた男性は、今月9日に無事、退院できたということです。
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地元、盛岡市の消防本部は「心臓が止まってしまった場合、1秒でもはやい救命措置を行うことが重要です。“救命のリレー”が円滑に行われ、命を救うことができたと思います」とコメントしています。