消防本部「判断が難しかった」 新型コロナのワクチン“接種拒否”で…職員を隔離 廊下脇で業務をさせる
滋賀県甲賀市の甲賀広域行政組合消防本部で、「新型コロナのワクチンを接種しない」意向の職員を、廊下脇のスペースに隔離し業務をさせていたことがわかりました。
◇◇◇
問題が起きたのは、全国的に新型コロナウイルスの感染者数が増加傾向にあった、2021年4月のことでした。滋賀県甲賀市の甲賀広域行政組合消防本部によると、30代の職員が「インフルエンザのワクチン接種で副反応が出たことがある」ことを理由に、「新型コロナのワクチンを接種しない意向」を上司に伝えたといいます。
これを受け、消防本部は接種の有無で区別が必要と考え、この職員を廊下脇のスペースに隔離し業務をさせたというのです。また、更衣室の使用を制限したり、職場での行動記録を提出するよう求めたりしたといいます。
さらに、消防本部は「接種拒否者への業務区別」と題した文書を作成。全職員約200人が回覧したといいます。職場で“接種拒否者”にあたるのは、この職員1人だけでした。その後、職員は退職したということです。
取材に対し、消防本部は「当時はウイルスについて未知の部分も多く、接種しない職員への対応の判断が難しかった」とコメントしています。第三者も交えた委員会で、対応が適切だったか検証するとしています。