「核兵器」北東アジアで“シミュレーション” 260万人が亡くなるケースも 専門家「リスクについての認識を深めることは大事」
19日からのG7広島サミットでは、「核なき世界」に向けてどのようなメッセージが発信できるかがポイントになります。長崎大学などが、日本を含む北東アジアで核兵器が使用された場合のシミュレーションを専門家らと行いました。試算では260万人が亡くなるケースも…。長崎大学の鈴木教授は「リスクについての認識を深めることは大事」と述べました。
■「核兵器」使用をシミュレーション…想定される5つのケース
中島芽生アナウンサー
「19日に開幕するG7(主要7か国首脳会議)サミットでは、『核なき世界』に向けてどのようなメッセージを発信できるかがポイントになりますが、もし実際に核兵器が使われたらどれくらいの人が亡くなるのか…そんなシミュレーションがあります、小栗さん」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「各国の核兵器の威力や保有している数などをもとに、長崎大学などが専門家らとシミュレーションしたものですが、場所はいずれも日本を含む北東アジアで、たとえば『ウクライナ侵攻を続けるロシアが使用して、アメリカが応戦したケース』、それから『北朝鮮が使用してアメリカが応戦したケース』、さらには『台湾をめぐって中国が使用して、アメリカが応戦したケース』などの5つのケースが想定されています」
「この中で、『テロリストが日本の東京・新橋に核兵器を1発、使用した場合』(シミュレーションの試算では)爆風や炎の柱(=火災旋風)などで数か月の間に亡くなる人は22万人だといいます」
中島アナウンサー
「“核兵器1発”なんですよね…?」
小栗泉解説委員
「そうですね。これに加えて放射性物質の影響で、がんで亡くなる人は長期的にみて、この倍以上になるといいます」
「次に、『北朝鮮がアメリカを交渉のテーブルにつかせるため、韓国の沿岸部に向けて威嚇で“1発”使用して、これにアメリカが応戦して、北朝鮮に対して“2発”使用した場合』です。この場合は、数か月間の死者は1万1000人にのぼります」