静岡・川勝知事「辞意表明」の理由を説明 “職業差別発言”は撤回せず
突然の“辞意表明”をした静岡県の川勝知事。3日に再び会見を行いました。問題となった“職業差別”ともとれる発言について、“撤回”はしませんでした。
座右の銘は、どこでもいつでもいつまでも、学ぶ姿勢を失わない「常在道場」。
静岡県 川勝平太知事(75)
「その都度、以後こういうことはないようにと努めてまいりましたけど、再びそうしたことが、思いもかけぬ形で浮上致しまして、自らの不徳の致すところ」
学びは、実らなかったようです。
静岡県 川勝平太知事(75)
「第一次産業、農業・酪農。これは最も大事にしてきた産業でありまして、そういう方たちの心を傷つけたとすれば、誠に申し訳なく、心からおわびを致します。申し訳ありませんでした」
私たちの生活を支えている、一次産業に関わる人たち。畜産農家の鈴木さんご夫婦は、毎日毎日、牛の世話や野菜の栽培をしています。
静岡県 川勝平太知事(4月1日)
「毎日毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたり、あるいはモノを作ったりとかということと違って、基本的にみなさま方(県庁の職員)は頭脳・知性の高い方たちです」
静岡県のトップ、川勝知事の“職業差別”とも捉えられる発言に…
畜産農家 鈴木さん夫婦(静岡・菊川市)
「自分はね、もうあきれてます」
「怒りを通り越して『あぁ~また言ってるな』。内心バカにしている部分があったのかなと、あの発言で思った」
◇
批判は殺到しました。
静岡県 川勝平太知事(2日)
「職業差別は皆無です」
2日に釈明を重ねましたが、会見の最後、突然、辞意を表明しました。
記者
「そこは説明するべきなんじゃないですか!? おかしいですよ、これ!!」
それから一夜明けた3日。
記者
「辞意を表明した理由を教えてください!」
「なぜ突然辞意を表明したんでしょうか?」
静岡県 川勝平太知事(3日午前)
「きょう午後3時半に説明します」
穏やかな表情でそう答え、県庁へ。
迎えた会見。川勝知事が辞意を表明した理由は2つ。まずは「不十分な言葉遣い」です。
静岡県 川勝平太知事(75)
「不十分な言葉遣いによって、人の心を傷つけた。これはやはり大きい」
――責任をとる形で辞職するという理由の一つ?
静岡県 川勝平太知事(75)
「傷つけたことは、私の心も傷ついているので、申し訳ないと思っている」
――昨日の発言は不適切と思っているのか? 撤回する意思はあるのか?
静岡県 川勝平太知事(75)
「不適切とは思っていなかった。しかし、一部だけをとれば差別発言ともとられかねないことは確かにその通り。そこで傷つかれているのは不本意ですから、申し訳ないという気持ちがございます」
――撤回はされない?
静岡県 川勝平太知事(75)
「そうです」
発言の撤回はしないようです。
辞意を表明した理由のもう一つは「リニア中央新幹線」です。完成すれば東京~名古屋間が最速40分に。もともと2027年の開業が予定されていましたが、川勝知事はこれまで「周辺環境に影響がある」として反対。一貫して着工を認めなかったため、JR東海は先月、2027年の開業を断念したと発表しています。
この事業計画の変更を受け…
静岡県 川勝平太知事(75)
「リニア問題を解決するのは、事業計画を見直す以外にないと従来から思っていた。県民の皆様と約束したリニア問題について、一里塚をしっかりこえた。今回ここで辞表を出せると思い至った」
ある国会議員は「これでリニアは進むだろう」と話しています。
会見の最後に語ったのは…
静岡県 川勝平太知事(75)
「県民のためになると思っています。辞めることが」
川勝知事は、6月の定例会の前に辞表を提出し、議会の判断を仰ぐということです。