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人やウシが襲われる…各地でクマ被害相次ぐ 行動がエスカレートする可能性も

2024年5月22日 19:40
人やウシが襲われる…各地でクマ被害相次ぐ 行動がエスカレートする可能性も

人やウシがクマに襲われる被害が相次いでいて、各地で警戒が強まっています。専門家は、クマは執着性が強いため、「行動がエスカレートする可能性がある」と指摘しています。

北海道の牧場でウシ8頭が襲われてから一夜。

なかしゅんべつ未来牧場 友貞義照専務(北海道・別海町、22日)
「牛舎から20メートルぐらいのところに仕掛けました」

急きょ、クマ捕獲のワナを設置。66頭のウシを襲ったヒグマ、「OSO18」の駆除から約1年。この牧場に現れたのは「第2のOSO」となってしまうのか、警戒感が強まっています。

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北海道別海町の牧場で21日、クマに襲われたとみられる子ウシ4頭が死んだ状態で見つかりました。近くには住宅もあり、人が管理する牛舎で発生した被害。さらに4頭も胸や尻をかまれ、回復の見込みがないことから安楽死処分となっています。

なかしゅんべつ未来牧場 友貞義照専務
「クマの目撃がどうなるか分からないので、防衛策だけはしようと」

私たちが向かったのは関東にある動物園です。北海道に生息するヒグマを展示しています。

記者
「すごく気持ちよさそうに寝ています」

のんびり過ごしていたヒグマ。実は、今の時期が…

東武動物公園動物園事業部 山田篤課長
「活動的に繁殖行動に移るため行動範囲が広がる時期です。人間と接触する機会も範囲が広がる分、増えてくる」

冬眠が終わり、各地に出没しているヒグマ。繁殖期を迎えた今、行動範囲を広げています。

クマの生態に詳しい専門家は、今後クマの行動がエスカレートする可能性を指摘します。

酪農学園大学 佐藤喜和教授
「一度覚えた味に対して執着性が強いことで知られています。簡単に襲って食べることができると学習すれば、それが次の被害につながる可能性もあるかもしれません」

状況によっては、人が被害にあうこともあるといいます。

酪農学園大学 佐藤喜和教授
「徐々に行動がエスカレートする可能性もあって、昼間に活動することもなくはない。そういった場所にばったり人が近づくと、防衛的に人を襲うことも考えられる」

秋田県では、クマが人を襲う被害も起きています。

22日、鹿角市の山林には、野生動物のものとみられる傷がついた男性が倒れていた場所へと向かう警察や猟友会などの姿がありました。搬送にあたった警察官2人はクマに襲われています。

記者
「行方不明となっていた男性を乗せたとみられる車が今、林道を進んでいます」

遺体発見から5日目。まだ近くにクマがいるおそれがあったため、22日、ようやく遺体が運び出されました。

専門家は、こうした人を襲うクマについても、行動をエスカレートさせる可能性があるといいます。

酪農学園大学 佐藤喜和教授
「全てのクマがそうだというわけではないけど、一部、人をエサとして認識してしまうクマがいることは確か。人を食べ物と認識してしまうと、繰り返し襲うような行動に出ることも」

そもそも、クマがいるような場所に立ち入らないこと。そして、遭遇した場合は落ち着いて距離を取ることが大切です。

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