「没入型」テーマパークが続々オープンへ USJも新エリアを準備 狙いは外国人観光客
進化したテーマパークの開業の発表が相次いでいます。5日に発表されたのは、東京・お台場に来年春にオープンする新しいテーマパークです。注目されている“没入型”テーマパークということです。今、外国人観光客をいかにして呼び込むかが重要となっているテーマパーク。新たな施設は、世界と戦える新しいエンターテインメントになるのか、詳しく解説します。
去年、営業を終了した東京・お台場の商業施設、ヴィーナスフォート。その建物を活用し、来年春、新しいテーマパークが登場します。
運営する「刀」 森岡毅代表取締役CEO
「イマーシブ体験をテーマにした新しいテーマパークの提案」
パーク名は、「イマーシブ・フォート東京」。イマーシブ。つまり、“没入型”の体験ができるテーマパークだといいます。参加者の行動次第で様々な物語の体験ができるというのです。
運営する「刀」 森岡毅代表取締役CEO
「100人が体験したら100通りの体験になります」
イマーシブ、つまり“没入型”のテーマパークが、エンターテインメント業界で注目されています。空間全体が物語のテーマに基づいてつくられていて、観客は登場人物として様々な体験ができるというものです。
イマーシブ・フォート東京では、例えば、次のような没入体験ができるとみられています。
パーク内に足を踏み入れると、そこには町並みが再現されていて、その中でキャストや他の参加者に突然、「捜査に参加してくれ!」などと話しかけられます。そして、その後の参加者の行動や受け答え次第で、物語の内容が変わっていくため、何度行ってもその都度楽しめて、1人として同じ体験がない、新しいテーマパークだといいます。
レジャー産業に詳しい桜美林大学の山口有次教授によると、「“没入型”のエンターテインメントは世界的に人気が高まっていて、施設にとっては、付加価値があがるため料金をあげることができる。客単価がアップし利益を増やすことが期待できる」ということです。
また、運営会社としても「世界と戦える新しいエンターテインメント。外国人観光客がこの施設を目的に「日本に来たい!」と思ってほしい」と話していました。
そして今、テーマパークでは、外国人観光客をいかにして呼び込むかが重要となっています。
去年、アメリカの調査会社が公表した世界のテーマパークの人気ランキングのトップ5は、1位、2位はアメリカのテーマパークですが、3位~5位までは日本のテーマパークとなっています。
5位のユニバーサル・スタジオ・ジャパンは、来場者数が年間で約1235万人でした。外国人観光客にも、「ここに行きたい!」と思わせる日本独自のコンテンツがあるのです。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでパレードを盛り上げているのは、ポケットモンスターのピカチュウです。世界的に高い人気を誇る日本のアニメを全面に打ち出すことで、外国人観光客の集客を高める狙いがあるといいます。
さらに、外国人に人気の「スーパー・ニンテンドー・ワールド」エリアは来年、面積を1.7倍に拡張する予定です。ドンキーコングをテーマにした新エリアが加わるということです。
他にも大型テーマパークがオープン予定です。施設ができるのは、神奈川・横浜市の米軍施設の跡地です。日本の最先端の技術などを活用した次世代のテーマパークになるといい、世代を問わず日本の世界観に没入する空間になる予定だということです。ただ、開業は2031年ごろの予定と、少し先になります。
行政にも狙いがあります。土地の利用方法を公募した横浜市は、高齢化がすすむ中で、テーマパークに訪れる外国人など人々の交流を増やし、地域活性化につなげる狙いもあると話しています。