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原子力規制委、柏崎刈羽原発「運転禁止解除」への“要件”示す

2022年9月14日 19:03

セキュリティー上の不備が相次いで発覚し「事実上の運転禁止命令」が出されている東京電力・柏崎刈羽原発について、原子力規制委員会は、運転禁止の解除に最低限必要とする東電の改善策など現時点での方針を決定しました。

新潟県にある東京電力柏崎刈羽原発では、これまでに、ずさんなセキュリティーなど、核物質防護上の不備が相次いで発覚し、原子力規制委員会は、“事実上の運転禁止命令”にあたる「核燃料の移動を禁じる是正措置命令」を出した上で、東電側の改善策などについて追加の検査を続けています。

規制委員会の14日の会議では、「禁止命令」解除のために、現時点において、最低限必要なこととして、「強固な核物質防護の実現」「自律的に改善する仕組みの定着」「改善措置を一過性のものとしない仕組みの構築」の、大きく3つの方針を示し、了承しました。

このうち、「強固な核物質防護の実現」では、原発構内への入退域の設備について、全設備の健全性評価に基づいて、設備の取り替えや改造が行われているか、さらに、生体認証装置が設置されているかなどの確認を行うとしています。

一方、「自律的に改善する仕組みの定着」では、改善措置が東電社内や協力会社に浸透しているか、また、核物質防護管理者が指揮監督を行っているかなどを、確認するとしています。

その上で、改善措置を一過性のものにしないために、東電や協力会社の社員の意識や行動を定期的に監視するなどの仕組みをつくり、違反した場合は「運転停止命令」が出せるよう、構築した仕組みを、核物質防護規定などに明記するよう求めています。

大きな3つの方針をもとにした具体的なチェック内容は、あわせて33項目にのぼっていて、規制庁の担当者は「完了の目処はたっていない」と話していて、「禁止解除」に向けた議論の開始時期は依然として不透明です。