有名ブランド“ニセモノ下着”広告11万件削除も……幅広い年代に相次ぐ被害 SNSニセ広告に要注意!『every.気になる!』
スマホから簡単に買い物ができる時代。SNS上に現れる広告をタップして販売サイトに飛ぶと、有名ブランドの商品が通常よりも安く売られている…!? ロゴを信用して購入したが実は“ニセ広告”でした。その販売の実態を取材。相次ぐ被害を防ぐため “ニセサイト”を見分けるポイントもチェック!
これはSNSに表示された広告。「1368円」「売上No.1」と書かれたこのブラジャー。大手下着メーカー「ワコール」のロゴが入っていますが…実はこれ、ニセモノ。
こうしたブランドロゴを使用したSNS上の“ニセ広告”は、これまで、11万件が削除されているといいますが、 “ニセモノ下着”を購入してしまったという被害が相次いでいます。
その販売サイトを調べると、不自然な日本語が…。「素人試着」という聞き馴染みのない言葉も。
幅広い年代が被害にあっているという “ニセモノ下着”。その実態を取材しました。
「これはニセモノなんですね」
日本ブランドの“ニセモノ下着”だ。
大阪府に住む60代の女性。
被害者
「もう腹立つわこれ、だまされたわと思って…」
こちらの女性は“ニセモノ下着”を購入してしまったといいます。
被害者
「インスタグラムでワコールという名前が書いたショーツを購入したんですけど、8枚1万円切るぐらい。ワコールの商品だったら、ちょっと安いかなと思って…」
きっかけは「ワコール」のロゴが表示された広告。タップすると販売サイトに飛び、通常の商品よりも安く売られていました。ロゴがあったことで信用し購入したといいます。これがその下着。数回はいただけで腰回りの部分がすぐにほつれてしまったそうです。
被害者
「上(腰回り)がビビビッと伝線がいって…やっぱりワコールの商品でほつれるのはちょっとおかしいなとは思ったんで…」
「ワコール」ではここ数年、ニセモノについての問い合わせが増加。その被害者からニセモノを提供してもらうなど、調査を進めていました。
ワコールHD 知的財産担当 野村翔二さん
「こちらが模倣品(ニセモノ)の一部となります」
そのひとつがノンワイヤーブラジャーのニセモノ。取材スタッフが触ってみると…
気になる!班
「パッドの安定感がなさそう。ホールドしてくれなさそう。ただスポンジなのかな」
ワコールHD 知的財産担当 野村翔二さん
「お客様のお声としては『着け心地が悪い』『洗濯したら破ける』という声をいただいています」
正規品と並べてみると、同じサイズにもかかわらず、パッドのカタチや大きさに違いが。正規品は、胸の形に合わせて加工がされていますが、ニセモノはふくらみが小さいことがわかります。また、生地に伸縮性がなく、体にフィットしにくいものでした。
他のニセモノも見せてもらうと、商品が届いた時から糸がほつれているものや、入っているはずのロゴがないものも。
さらに…
ワコールHD 知的財産担当 野村翔二さん
「においを嗅いでみてほしい」
気になる!班
「なんか…薬みたいな…」
ワコールHD 知的財産担当 野村翔二さん
「どういった薬剤を使っているかも分からない。非常に怖いですね」
ワコールHD 知的財産担当 野村翔二さん
「お客様がワコールと思い込んでニセモノをつかまされて、その商品を使ったことによってガッカリされたり、嫌な思いをされる。何とかしてそういう被害を食い止めたい」
「ワコール」は“ニセ広告” について、SNSの運営会社に削除を依頼。これまでに11万件もの広告を削除していますが、“ニセ広告”が完全になくなることはないといいます。
"ニセモノ下着"を販売するサイトの問い合わせのページを見ると…「K」という会社名が。所在地は、香港。
「ワコール」に確認すると、全く取引のない会社だといいます。K社を調べると複数の販売サイトを運営。その中のひとつに電話番号を発見。
かけてみると…
「ツーツーツー(不通音)」
何度電話してもつながることはありませんでした。
他にもメールアドレスやLINEのIDが記載されていたため、連絡を試みると…
「ちあき」という個人名のアカウントからメッセージが届きました。
メッセージ(画面)
「ちあき以下のサービスを提供… 1、注文のお手伝い 2、ご注文のキャンセル…」
そこで、商品が本物なのかと質問を投げかけると…
ちあき(画面)
「お問い合わせの製品の写真をお送りいただけますか?」
と返事が。指示の通り「ワコール」のロゴが入った画像を送ると…
既読になることはなく、連絡が途絶えました。
消費者庁は、こうした日本の衣料品ブランドの“ニセサイト”を見分けるポイントとして…
「大幅な値引きを強調していないか」
「不自然な日本語ではないか」
「支払い方法が代引きのみと限定的ではないか」
確認するよう注意を呼びかけています。
(5月20日『news every.』より)