被災したイルカ、ふるさとへ戻る のとじま水族館との“絆” 10か月間受け入れ、坂井市・越前松島水族館 健康状態を観察し、元の水槽へ
元日の能登半島地震で被災した石川県ののとじま水族館のイルカが19日、避難先となっていた坂井市の越前松島水族館から無事にふるさとに戻りました。
■リポート 櫻井幹大記者
「担架のようなものに乗せられたイルカが、ゆっくりとつり上げられていきます。暴れることなく、落ち着いた様子です」
10か月にわたって避難生活を送ったオスのカマイルカ2頭は午前6時過ぎ、水槽から運び出されました。のとじま水族館では、被災によって館内で生き物を飼育することができなくなったため、被災直後から越前松島水族館がウミガメやイルカなど11頭を受け入れて飼育してきました。
■イルカ担当のスタッフ
「ちょっと、泣きそうになってるんじゃない?」
「寂しい…(涙)」
水族館のスタッフはイルカとの別れを惜しみながら、ふるさとへ送り出しました。
■越前松島水族館 展示課 海獣係 菊地香織課長
「少し寂しい気持ちもあるけど、それ以上にもとのスタッフの場所に帰せる喜びが大きい」
ところで、1997年には、ナホトカ号の重油流失事故で避難を余儀なくされた越前松島水族館のイルカを、のとじま水族館が受け入れてくれました。
■越前松島水族館 展示課 海獣係 菊地香織課長
「昔、すごく助けてもらったことは語り継がれていて、スタッフもみんな知っている。少し力を貸せる場面ができて、お互いのつながりというものをしっかり作ることができた。災害が起きた時は人間優先の支援が当然なので、動物園や水族館の動物は我々にしかできない支援なので、連携してやっていくのがすごく重要」
なお、2頭のカマイルカはのとじま水族館で健康状態を観察した後、元の水槽に戻されるということです。