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【特集】育て!新たなブランド牛 売りは筋肉質な“赤身”の肉 “霜降り”若狭牛と差別化 坂井市内で肥育中

2024年7月2日 19:28
【特集】育て!新たなブランド牛 売りは筋肉質な“赤身”の肉 “霜降り”若狭牛と差別化 坂井市内で肥育中
国産赤牛の子牛=今年5月、坂井市内

食のトレンドの変化で、赤身の肉の人気が高まる中、県内で新たなブランド牛を育てる挑戦が始まっています。

手綱を引かれて歩く2頭の子牛。坂井市の肥育農家齊藤力さんは、熊本から国産の赤牛を買い付け、霜降りの若狭牛とは異なった、赤身のおいしい新たなブランド牛を育てようとしています。

■サンビーフ齊藤 齊藤力さん
「食べてる、食べてる」

いわゆる「若狭牛」のブランドが確立したのは1986年。それから40年近くが経ち、霜降りの肉がもてはやされた時代から食のトレンドも変化しています。

■サンビーフ齊藤 齊藤力さん
「精肉店と焼き肉店もしているけど、売れる部位が赤身、モモとかヒレとか。油が多いバラとロースがなかなか選ばれない時代になった」

脂肪の多い黒毛和牛と、適度に脂肪が入った赤毛和牛の育て方は正反対。霜降りのブランド牛は脂肪をつけるため、極力運動させないよう囲いの中で育てますが、今回は赤身となる筋肉を増やすため放牧で育てます。

この道30年の齊藤さんも放牧での飼育は初めて。県の畜産試験場が、放牧地の提供やエサの管理など全面的にバックアップします。

■試験場の職員と齊藤さんのやりとり
「やっとって感じですね」
「僕もきょうがスタートやなって。やっと始まったって」
「とにかく元気に大きくですね」

この新たな挑戦に、飲食店からも期待の声が。

■望洋楼 刀根瑛昌社長
「魚もうちはほぼ福井のものを使っているけど、牛肉もやはり福井のものを使いたい。やっと来たなと。楽しみでしかない。今まで我々が子どもの頃から育ててきた、食べてきた脂の乗っている牛と、いま客が望んでいる、世界中の食通が望んでいる牛は少し違う」

齊藤さんは、ゆくゆくは「越前がに」と並ぶ福井ブランドにしたいと意気込んでいます。

■サンビーフ齊藤 齊藤力さん
「観光で来てもらった時に、福井にこういう新しいブランドがあるんだと。おいしい赤身の肉をどんどん提供できたら。それを食べることによって、幸せな気持ちになってもらえたら。ブランド名も『越前福牛(えちぜんふくうし)』という、福がつくブランド名で考えている」

新幹線時代に、国内外の観光客を満足させるおいしい肉を提供したい。新たな挑戦が始まっています。

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