【特集】全校児童はたった1人 過疎が進む山あいの地区 先生や地域の人に支えられ 将来の夢は「自然を守るような仕事」 福井市・殿下小学校

少子化などの影響で児童数が減少する中、福井市の山あいの地区に児童が1人だけの小学校があります。同級生はいませんが、先生や地域の人に支えられながら、充実した日々を送る児童。 その1日に密着しました。
■登校風景
「おはようございます」
「体調どうですか?」
元気に登校してきたのは、松平瑞也くん(10)。福井市の殿下(でんが)小学校に通う小学5年生です。
■朝の会での様子
「気をつけ、礼!今から朝の会を始めます」
朝の会が始まりましたが、教室に同級生の姿はありません。
松平くんが通う殿下小学校には、中学校が併設されていましたが、昨年度で閉校に。同級生や在校生は最寄りの清水西小学校に転校したため、全校児童は今年度から松平くん1人になりました。
■松平瑞也くん
「(Q.どうして殿下小学校に残ることに?)先祖のお父さんとかおじいちゃんとかがずっといた学校を少しでも長く続けたいから」
松平くんの1日は、学校菜園の水やりから始まります。
■松平瑞也くん
「(Q.何を育てているの?)トマトとピーマンとキュウリです。毎朝来るのは大変です」
「(Q.食べるのどうですか?)めっちゃ楽しみです。大きく育ってほしい」
■授業風景
松平くん「どこから出せばいいの?」
福島教諭「考えて。漢字の書き順と違っていいからね」
授業は毎日、担任とのマンツーマン。この日の授業は家庭科で、手縫いで自分の名前を縫う方法を教わりました。
■松平瑞也くん
「Q.家庭科は好き?)はい、好きです。でも、どちらかと言うと、こういうのよりも調理の方が好きです」
■福島安希子教諭
「1対1で(指導)できるのは大きいなと思っていて。30人を超えるクラスでやると、なかなか全員を見てあげるのは できなくて。ずっと横で見てあげられるので、これは少人数のメリットかなと思います」
一方で、少人数の学校では他の児童との交流が少なく、コミュニケーション能力を高めたり、多様な考え方に触れたりする機会が少ないといったデメリットもあります。
■松平瑞也くん
「本当はグループで話し合うとか、勉強とかも1人なんで。そういう時は少し寂しい」