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「二次元コード詐欺」で被害額21万円超──ココリコ遠藤さんの妻が語る一部始終 6ケタのパスコードを入力…実は?

2024年6月19日 13:12
「二次元コード詐欺」で被害額21万円超──ココリコ遠藤さんの妻が語る一部始終 6ケタのパスコードを入力…実は?

多くの人が利用する二次元コードですが、それを悪用した詐欺が相次いでいます。「未納の税金がある」と支払いを促すメールが届いた男性や、21万円超をだまし取られたという、お笑い芸人の妻に取材。誰もが引っかかる可能性がある、その巧妙な手口とは──。

■二次元コードで購入する客が続々

東京・千代田区の大手町川端フードガーデン。昼時のオフィス街にキッチンカーが止まっています。その支払い方法に注目すると、二次元コードで商品を購入する来店客が相次いでいました。この店では約7割が二次元コード決済だといいます。

ある会社員(40代)は「財布を出す手間が省ける。ポイントがたまる」と言います。その便利さから、二次元コードを使う人は多くいます。

街でも「買い物は全部二次元コードでまとめています」(30代主婦)、「今も(二次元コードで)買い物して、生活の中に溶け込んでいます」(50代会社員)といった声が聞かれました。

■埼玉県の男性に届いた詐欺メール

しかし今、二次元コードが悪用され、金をだまし取られる新たな詐欺が発生しています。被害者の1人は「あまり不信感を抱かなかったんですね。ネットで買い物することもすごく多かったので、詐欺に遭うとは思っていませんでした」と明かします。

誰もが引っかかる可能性があるという、二次元コードを使った詐欺。国民生活センターも注意を呼びかけますが、どんな巧妙な手口があるのでしょうか。

埼玉県に住む40代の男性が、取材に応じてくれました。5月半ば、国税庁を名乗る詐欺メールが届いたといいます。男性は「未納の税金があるので、それを支払ってくださいと。払い忘れた税金があったのかと思いました」と振り返ります。

実際に届いたメールには「催促してきましたが、まだ納付されておりません」と記されていました。男性は普段からPayPayで納税していたため、「お支払いへ」と書かれたリンク先へ。すると、4万9678円を支払うための二次元コードが表示されました。

■メールの漢字と納付期限に違和感

「これだけ見ると、怪しいかよく分からなかったですね」と男性。しかしメールの文字をもう一度見てみると、所得税の「税」や債権の「債」の漢字に違和感がありました。さらに、不自然な点は他にもありました。

男性
「(メールを)受け取ったのが5月13日だったんですけど、納付期限が14日ということで、あまりにも急すぎるなと」

これらのことから詐欺だと気が付き、支払いはしませんでした。国税庁によると、二次元コードを使った納付手続きは実際にありますが、二次元コード付きのメールで納税を求めることはないということです。

■買い物で「返金対応します」と連絡が

二次元コードはさまざまな支払いに使われ、詐欺の手口も多岐にわたるといいます。買い物をきっかけに21万円以上をだまし取られたケースを取材しました。

被害を訴えるのは、お笑い芸人のココリコ・遠藤章造さんの妻。きっかけは今年3月、ネットで買い物をしたことです。「息子がどうしても欲しいカードをずっと探していて、なかなか見つからなかったんですが、このサイトだけにあったので…」と言います。

誕生日プレゼントに、と注文。学習用のプリントと合わせ、約5200円を振り込んだといいます。すると数日後、業者から「在庫がなかったので返金対応します」といった旨の連絡がありました。

■「返金するため」と二次元コードを送信

ネットで注文した商品の在庫がないとして、業者から「PayPayで返金します」とメールが来たといいます。LINEでやり取りを始めると、業者から「返金するため二次元コードを送ってほしい」と指示され、遠藤さんの妻が送りました。

遠藤さんの妻
「『あなたの(PayPayの)アカウントが制限されています』と写真が送られてきたので、『あれ? 制限されてしまったのかな』と」

アカウントの制限を解除するといって、ある二次元コードを読み取るよう伝えてきたといいます。

■「制限解除」をうたってパスコードを…

遠藤さんの妻
「パスコードが214890。ここにアクセスして番号を入れるとアカウント(制限)が解除されます、と」

その後、画面に出たのは「214,890円」「支払い完了」という表示でした。業者がパスコードだとして入力させた数字は、送金する金額でした。遠藤さんの妻はだまされたと気が付き、電話をしましたが連絡はつきませんでした。

買い物したサイトも既にアクセスできなくなっていたため、警察とPayPay側に相談中だといいます。「PayPayを使っている身としては確実に(入金が)確認できるものだと思ったので、詐欺に遭うとは思っていませんでした」と遠藤さんの妻は語ります。

国民生活センターは、「○○ペイで返金します」と言われたら詐欺を疑うよう呼びかけています。

■専門家「詐欺の応用範囲が広い」

神戸大学大学院の森井昌克名誉教授は「詐欺の応用範囲が広いということになりますので。確実に増えていますし、これからも増えていくでしょうね」と警鐘を鳴らします。

支払う前にもう一度、二次元コードで読み込んだページを確認することが大切だということです。

(6月17日『news every.』より)

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