鯖江市河和田地区の住宅の庭にクマが3回にわたって出没しました。夜には6時間あまりにわたって居座るなど地元には不安が広がっています。

■「出たらあかん！」 わが物顔でカキの木に登るクマ

民家のカキの木に登るクマ（山越さん撮影提供）

鯖江市河和田地区の住宅の庭に現れた体長1メートルほどのクマ。
わが物顔でカキの木に登ります。

クマが最初に現れたのは22日の正午ごろ。
葉っぱの隙間から黒く大きな影が見えます。

クマを目撃した山越久美恵さん
「あそこのちょうどカキの木の上にいたんです」

木の幹には爪でひっかいたような跡も残されていました。

山越久美恵さん
「怖かった。大きい声を出してしまったので、こっちに来るのではと思った。同居する母親が出てきたが『出たらあかん！』と強く呼び掛けた」

■おびえるそぶりなし 真夜中まで6時間居座る

木の上で真夜中まで6時間居座る（山越さん撮影提供）

クマは昼過ぎにも再び現れ、素早い身のこなしでカキの木に登りました。
別の角度から撮った映像ではすぐそばをバイクが走っているのが分かります。

その後、警察官らが周囲を取り囲んだそうですが、おびえるような素振りも見せず、深夜3時ごろまで居座ったということです。

リポート･國松希位太記者
「クマが出没したカキの木です。下の方を見るとオレンジ色のふんが残されています。クマは北側の山に向かって逃げて行ったということです」

■「もう家から出られない」 近隣では10件以上の目撃情報

翌日は市や猟友会が朝夕にパトロールしていましたが、午後4時ごろ、再びクマが出没したということです。人里に堂々と現れるクマに、地域には不安が広がっています。

近隣に住む女性（80代）
「そこら辺に上がったんじゃないか。これからもう家から外に出られない」

山越久美恵さん
「50年ちょっとここに住んでいるが、こんな近い距離で見たのは初めて。もう冬眠してほしい。どっかに行ってほしい」

河和田地区では、今月に入ってクマの目撃情報が10件以上寄せられていて、市はクマよけの鈴を持ち歩いたり、木になったままのカキの実を収穫したりして、クマを寄せ付けないよう呼び掛けています。

(FBC福井放送 2023年11月23日放送)