「シャインマスカット」粒の一部が変形する被害 「未開花症」で“花が開かない”房が…原因不明で対策なく
人気フルーツのシャインマスカットで、一部の生産者から不安の声があがっているといいます。数年前から、栽培する途中で花が開かない「未開花症」とよばれる開花異常が起き、粒の一部が変形するなどの被害が出ているとのことです。
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11日、私たちは山梨県甲州市にある果樹園を訪れました。ビニールハウスで栽培していたのは、生育途中のシャインマスカットです。
みはらしの千果園 坂田武史代表
「こうやって花穂ができているところで、これがぶどうの房なんですけど」
シャインマスカットは、ぶどうの高級品種の一つにも数えられています。「みはらしの千果園」ではビニールハウスと露地の両方で栽培しています。ハウスのものはあと2週間ほどで開花を迎えるということですが、ある不安が…
みはらしの千果園 坂田武史代表
「(ハウスの中は)おととしはほとんどの房に出たんです。開花異常が出て、思うように収穫できなかった。心配でならないですね」
これは「未開花症」とよばれる開花異常です。「みはらしの千果園」では、4年前に「未開花症」を確認。粒の一部が変形するなどの被害が出たといいます。
みはらしの千果園 坂田武史代表
「その翌年なんかも(未開花症が)すごい出ちゃって、JAとか果樹試験場に相談したけどまだ原因がわからないって」
特に露地では被害が大きく、毎年、さまざまな対策を行っているといいますが、原因不明のため効果的な対策にはなっていないということです。
実はこのシャインマスカットの未開花症、山梨県だけでなく他のぶどうの生産地でも起きていました。
香川県では2021年にシャインマスカットの未開花症の発生を確認。ただ、去年は確認されなかったといいます。
また長野県や、山形県などでも相次いで確認されていることを受け、7日に農水省は原因究明に向け取り組んでいくと明らかにしました。
野村農水相
「高級ぶどうですから、こういったことがなんか起こると大変なことだなと、農家の皆さんが。今から、原因究明しながらやっていかなければならないと思っている」
問題解決への大きな一歩となるのでしょうか。生産者の思いはただ一つ。
みはらしの千果園 坂田武史代表
「シャインマスカットが今、一番お客さんが喜んで食べてくれる品種ですので、なんとか今年は成功させたいなっていう思いでいっぱいです」