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「安全神話が蔓延していた…」原子力規制委員会 学生と初の意見交換

2025年1月17日 21:43
「安全神話が蔓延していた…」原子力規制委員会 学生と初の意見交換

再稼働を目指す原発や、東京電力福島第一原発での廃炉作業の安全性をチェックする原子力規制委員会の委員長が福島県いわき市の福島高専を訪れ学生と意見交換しました。

原子力規制委員会の山中伸介委員長は17日、およそ80人の学生を前に講演しました。普段は電力会社などと向き合い、原子力関連施設の安全性について専門的な審査を行っていますが、一般の人と意見交換をするのは、今回が初めてです。

山中委員長は、30年前の阪神・淡路大震災の日、関西で自身も被災した経験から、学生達に話し始めました。

原子力規制委員会・山中伸介委員長
「きょうは何の日でしょうか。阪神淡路大震災の日。私も被災した阪神淡路大震災の起きた日に、初めて規制委員会が学生さんを前に講演をして意見交換をさせていただく、何か運命のようなものを感じる」

その上で福島第一原発の事故と、規制委員会の役割について「福島の事故前は原発の安全神話が蔓延していた。二度と事故を起こさないために継続的な調査・改善をしていく」と語りました。

その後、原子力の研究をする学生ら14人と廃炉などについて意見交換しました。

福島高専化学・バイオ工学科5年蛭田帆香さん(20)
「処理水について地域に安全性を説明していると聞いたが説明を聞いた上で反対と言われている人がいた。数値で安全を測ることに慣れていない人にどう今後説明していくのか」

原子力規制委員会・山中伸介委員長
「コミュニケーションの問題は非常に重要。情報発信や対話は納得を得られるまで続けていく必要がある」「今日の若い人との対話も全く初めての取り組み。規制についても分かりやすい説明をしていかないといけない。処理水についての説明も今後も続けていかないといけない」

電力会社や専門家の中だけでなく、立場も世代も超えて、原子力について垣根のない議論をする取り組みの第一歩が踏み出されました。

最終更新日:2025年1月18日 0:11
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