“水増し請求”グッドスピードでも?――社長を直撃 ビッグモーターで新疑惑…責任者「わざと壊したって言いたいんですか」
23日午後9時半ごろ、愛知県内。NNNのカメラの前に姿を見せたのは、中古車販売大手「グッドスピード」の加藤久統社長です。
記者
「報道であった件について一言いただけますか」
加藤社長は質問には答えず、そのまま自宅の中に向かいました。
愛知県を中心に店舗展開を行うグッドスピードは23日、ホームページ上で「損害保険会社から当社における過去の保険金の請求に関して調査協力を求められ対応していることは事実であり、詳細については調査中です」と明らかにしました。
損保関係者によると、車の修理費用など自動車保険の保険金を水増し請求していた可能性があるということです。
『zero』が23日に愛知・名古屋市内の店舗を取材すると、多くのSUVタイプの車が店に並んでいました。グッドスピードは中古車販売の他に、保険代理店事業や車検なども担っているといいます。
同社は「今後も調査を進め事実確認をしていく」とした上で「誠実に対応していく」などとコメントしています。
グッドスピードは調査協力を求められている段階ですが、そもそもこの調査が行われるきっかけとなったのは、ビッグモーターの保険金不正請求問題です。
その一連の問題を巡る報告書では、修理に出された車をわざと傷つける行為が指摘された他、厳しいノルマや上司からのパワハラも問題になっていました。
そのビッグモーターに、新たな疑惑が浮上しました。
ビッグモーターに車の修理依頼をした男性は取材に「あまりにも不誠実で、お客さんをお客さんと思っていない対応でしたからね」と憤ります。4年前に車のエアコンが故障したため持ち込んだといいます。
男性
「まず1週間ほどで仕上がると聞いていたのですが、10日たっても連絡がなかったのでこちらから連絡をして、そしたら『もう仕上がっています』『連絡するのを忘れていました』と。いいかげんだな、ぐらいに思いながら車を取りに行ったんですね」
しかし、エアコンから冷たい風が吹かないため、修理からわずか1週間で再度預ける事態になりました。すると、男性によればビッグモーター側は、依頼していない2度目の修理を無断で行い、追加の代金を請求してきました。
店の担当者は「これで(エアコンは)直ったので、追加料金を含めた全額を払ってください」と要求。男性は「『請求の分を払っていただかないとお車を返すことはできません』と言われまして…」と振り返ります。
さらに男性の元へは、責任者を名乗る人物から着信がありました。その実際の音声が記録されていました。
責任者
「うちはそのお金を支払っていただければお車をお返しします」
男性
「いやいや、こっちは払うつもりはないということは明確に伝えているので」
責任者
「なのでお車は返しません」
ビッグモーター側の責任者は車は返却できないと主張し、さらに続けました。
責任者
「極論を言いますと、お預かりさせていただいた時は問題なかったんですよ」
男性
「でもぬるい風しか来なかったですよ」
責任者
「それは1週間後ですよね?」
男性
「じゃあ1週間の間に壊れたんですか、修理に出して1週間後に壊れたって言いたいんですか?」
責任者
「と思います」
男性を責めるような口調で会話は続き、男性が「修理で壊れた可能性もありますよね?」と指摘すると、責任者は「わざと壊したって言いたいんですか?」と応じました。
交渉の末、男性の車は返ってきたといいます。この4年後に、ビッグモーターの不正請求が明らかになりました。
今回の件について同社は取材に「個別の案件については回答を控える」としています。
さらに、ビッグモーターの店の前で街路樹が不自然に枯れる問題についても23日、新たな動きがありました。
茨城県は同日会見を開き、ビッグモーターの担当者が県内の3店舗で除草剤を散布したことを認め、県側に謝罪したことを明らかにしました。道路維持課課長は「まずはつくば店の被害届の提出を考えております」と述べました。
また、埼玉県や神奈川県の店舗でも除草剤の成分が検出されていて、両県は既に警察に被害届を提出しているということです。
(8月23日『news zero』より)