不正請求の発覚後も“新たな疑惑” 現役従業員「整備せず納車」証言 ビッグモーター側の回答は…
ビッグモーターをめぐり次々と新たな疑惑が浮上しています。こうした中、ビッグモーターで今も中古車の整備を行う現役の従業員は、「コーティング」をせずに納車していたという疑惑について証言しました。また問題発覚を受け客が減り続ける中、社員が続々と転職サイトに登録しているといいます。
■「コーティング塗らないで納車」 指示書が来ないのに“納期厳守”?
7月31日夜、「news zero」は今もビッグモーターで中古車の整備を行う、現役の従業員に話を聞きました。
――仕事量は報道前後で変化は?
ビッグモーター現役従業員
「(仕事は)全くないです。結構暇になりました」
その口から語られたのは“新たな疑惑”です。
ビッグモーター現役従業員
「コーティング塗らないで納車させちゃう。それはダメだなっていうか、ちゃんとやっていない」
「コーティング」とは車の塗装を保護することです。その依頼を客から受けたにもかかわらず、処理をせず車を客に納車していたと明かしました。
ビッグモーター現役従業員
「営業からの指示伝票がなかったり。それでそのまま納期の日にいって、そのまま納車しちゃう」
――指示伝票がこない理由は?
ビッグモーター現役従業員
「(ビッグモーターの)営業が忙しかったり、忘れちゃってる。“忘れ”っていうのが結構あるので」
納車日までに指示書が来ないことが多く、細かい整備内容が分からないといいます。しかし、「納期は絶対守れ」との指示があり納車日はずらせないため、やむを得ず、車内の清掃のみを行いコーティングをしないままの車を納車していたというのです。
こうした行為は、不正請求問題が発覚した後も変わることなく、今も行われているといいます。なぜ今も不正は続くのか。
ビッグモーター現役従業員
「プレッシャーじゃないですかね、後はノルマと。“まだやるんだ”というのが本音」
この新たな疑惑について、ビッグモーター側に問い合わせたところ、7月31日午後10時ごろ、「事実関係を確認いたします。社内で確認し、速やかに対応させていただきます」との回答がありました。
■転職サイトには社員が続々と登録?
また、社内では新たな動きもあります。別の社員の元には、和泉伸二・新社長から最近、メールが届いたといいます。
7月28日に届いた全社員宛てのメール
「現在、全店舗では集客の低下および売上の低下を招いております。それに伴い皆様の実績にも多大な影響が予想されると考えます」
「差額を補填させて頂きます」
問題発覚を受け、減り続ける客。それによって減った報酬を補填するとの連絡が来たといいます。
その一方で、大手人材会社の幹部は取材に対し、「ビッグモーターの社員が続々と転職サイトに登録をしてきています。我々もびっくりする勢いです」と語りました。
■「人為的に除草剤がまかれたとなれば…」
ビッグモーターが揺れる中、店の前にある街路樹が不自然に枯れる問題では、7月31日も動きがありました。
愛知県は、県内の店舗で聞き取り調査や土壌調査を行ったということです。県内の別の店舗では、木の一部を回収する様子も見られました。
また同様の動きは、神奈川県でもありました。平塚市の店舗では、店の前にある植え込みの土を掘り、それを用意した袋に入れる職員の姿が見られました。県によると、店舗前には街路樹があったといいますが、去年11月に立ち枯れを確認し、伐採したといいます。
神奈川県の担当者
「人為的に除草剤がまかれて街路樹が枯れてしまったとなれば、警察に相談させていただきたい」
土の分析を行うなど調査を進めるということです。
■新たに“架空の保険契約”疑いも
また、金融庁は7月31日、ビッグモーターに対して、「原因分析」や「改善策」などの報告を求める“報告徴求命令”を出しました。
新たに架空の保険契約を行っていた疑いも浮上しており、国は引き続き実態を調査していく見通しです。
(7月31日放送『news zero』より)