【東海大福岡高いじめ】母親が法廷で訴え「心にどれだけ深い傷を負わせたのか」上級生4人は争う姿勢 福岡地裁
3年前、福岡県の私立高校に通う17歳の男子生徒が自殺した問題です。男子生徒の母親が、いじめを行ったとされる上級生に損害賠償を求めた裁判が10日に始まり、「許されない行為だったと分かってほしい」と訴えました。
福岡県宗像市の東海大学付属福岡高校の2年生だった侑大(ゆうだい)さんは、2021年3月、17歳で自ら命を絶ちました。
母親は、侑大さんが剣道部に入部した直後から2か月にわたり、いじめ行為を継続的に受けたことが「自死に至らしめるほど強い精神的苦痛」になったとして、当時の剣道部の上級生4人に対し損害賠償を求めています。
10日、福岡地裁で行われた第1回口頭弁論で、侑大さんの母親は「どれだけ侑大の心に深い傷を負わせたのか、自分たちがしたことの責任を取ってほしい」などと意見を述べました。
一方、上級生側は答弁書を提出し、4人全員が請求棄却を求めています。
■侑大さんの母親
「被告たちがやった行為は許されない行為だと思っているので、そういう行為をしたと思ってほしい。いじめ行為がなければ、また違った高校生活があったと思っています。」
学校が設置した第三者委員会は、侑大さんが上級生からわいせつな行為を受け、その様子を撮影された上、SNSで拡散されるなどのいじめを受けていたと認定する一方、「自殺の原因は特定できない」と結論づけました。
しかし、福岡県は「いじめの事実関係が明確になっていない」などとして、弁護士や臨床心理士などによる再調査を続けています。