「ハラスメント言動」で市長に初めての聞き取り 職員からは被害訴える証言が続々 福岡・宮若市
職員に対するハラスメント言動があったとされる福岡県宮若市の塩川秀敏市長(75)に対し1日、市の聞き取りが行われました。被害を訴える職員にその実態を聞きました。
1日朝、宮若市の塩川市長に聞きました。
■記者
「おはようございます。一点だけ、きょうから聞き取りが始まりますが。」
■宮若市・塩川秀敏市長(75)
「公平委員会ね。真摯にしっかり対応させていただこうと思っています。」
職員に対するハラスメント言動について、塩川市長に対する市の聞き取りが1日、問題発覚後、初めて行われました。
■塩川市長
「運転手やったら、自分のスマホ見るんか?おぉ!!」
■職員
「すみません。」
■塩川市長
「すみませんで済むか!」
■職員
「すみません。」
※運転中にはスマホを見ていません。
塩川市長を巡っては、これまで複数の職員が権利保護にあたる市の公平委員会に対し、ハラスメント言動があったと申し立てをしています。
現在は公平委員会に加え、強い調査権のある百条委員会が市議会に設置されています。
塩川市長のハラスメント行動の実態について、被害を訴える職員に聞きました。
■ハラスメント被害を訴える職員
「市長から直接、『お前この仕事に向いてないよ。(仕事を)代わるか?』と数回言われた記憶がある。会議中に机を大きくたたいて相手を威圧したりとか、私は(ハラスメント行為が)日常化しているという印象を受ける。」
「ハラスメントが日常化していた」と話す職員は、女性蔑視ともとれる市長の発言を聞いたと証言します。
■ハラスメント被害を訴える職員
「『女性は3人目の子どもからが本当の子育てだよ』と、1人目2人目が右手、左手でそれぞれ手をつないで、3人目からが手をつながずにしっかり育てる子育てだと、そういった意味合いで市長は発言されたと思います。」
また、ジェンダーハラスメントを直接、受けたという女性職員は次のように訴えます。
■ハラスメント被害を訴える職員
「市長室で業務の打ち合わせ中に、 1対1だったんですけれど『なんで女性がこの部署にいるのか全く意味がわからない』とか『一掃して、男性だけの部署にする』と言われた。『相手の気持ちはどうでもいいんだよ。僕の気持ちが大事だから』と普段から(市長は)言っている。」
関係者によりますと、職員でつくる労働組合がほとんどの職員に対し、去年12月に行ったアンケートでは、回答した138人のうち19.6パーセントが、市長からのハラスメント言動を経験したと回答しました。また、60パーセント以上が市長のハラスメント言動を見聞きしたことがあると答えています。
アンケートの中には、より具体的な内容もありました。
「『公務員のぬるま湯につかっている』と常にダメ出しばかり」
「『君たちは旗本だ!俺を守れ!』と一方的に話していた」
このほかにも、市長のハラスメント言動について職員から多くの情報が寄せられています。
公平委員会は非公開で行われ、聞き取りを終えた塩川市長は「真摯に対応した」と説明しました。
■塩川市長
「反省すべきところばかり。不快な気持ちを与えてしまったことについては申し訳なく思っております。」
ただ、「相手の気持ちはどうでもいい」という発言については否定した上で、それ以上の言及は避けました。
取材に応じた職員は「市長の言動について改善は望めない」と考えています。
■職員
「今の市長では職員との溝が埋まらないので、私は即、市長に辞任いただきたいという気持ちです。」
記者
「本気で謝られても?」
■職員
「改善にはなりませんので、謝るとかそういったところの行為はもう全く何も求めません。」
■きょうの市長
公平委員会は1日で職員や市長への聞き取りを終え、2月8日にハラスメントに該当するかどうかを協議します。
ハラスメントと認定された場合は、市長に対し改善を求める勧告書を通知するということです。