警固界隈(けごかいわい)の元少年に実刑判決 裁判長「どんな人生を歩みたいか真剣に考えて」福岡地裁
当時、19歳だった元少年が、いわゆる“警固界隈”の仲間と窃盗や強盗などを繰り返したとされる事件の裁判です。福岡地裁は8日、元少年に懲役5年の判決を言い渡しました。
判決を受けたのは、住居不定・無職の元少年(20)です。
判決によりますと、元少年は19歳だった去年6月、福岡市の警固公園で知り合ったいわゆる“警固界隈”の少年少女ら3人と共謀し、援助交際を持ちかけるふりをして呼び出した、見知らぬ男性を殴って脅し現金およそ2万2000円を奪うなどしました。
元少年は高校中退をきっかけに家出し、“警固界隈”の仲間と一緒に暮らしていました。
8日の判決で認定された6つの罪のうちの1つでは、元少年ら3人は、福岡市の無人販売店でハンバーグや馬刺しなど19点、あわせて1万4300円分を盗んだうえ、食べていました。
■少年ら
「いっぱい食べていい?」
「100個食べたい!」
その後も、“警固界隈”の仲間と一緒に、強盗や傷害などの事件を繰り返していました。
検察が懲役7年を求刑した一方、弁護側は執行猶予付きの判決を求め、元少年は「心を入れ替えて正しい道に進んでいきたい」と 反省した態度を見せていました。
福岡地裁の鈴嶋晋一裁判長は「被告人は同情できる理由もないのに自ら家出し、“警固界隈”に身を置いた。犯行は被告人自身に犯罪行為への抵抗感がなかったことに原因があると言わざるをえない」として、元少年に懲役5年の実刑判決を言い渡しました。
裁判長は最後に「どんな人生を歩みたいか、一度しかない人生だから、社会復帰を目指して真剣に考えてください」と説諭し、元少年はまっすぐ前を見て話を聞いていました。