【コロナ】「第10波といっていいような動き」福岡で感染者が増加傾向 新たな変異株JN.1とは 専門家に聞く
新型コロナウイルスの感染が国内で初めて確認されてから4年がたちました。コロナ禍前の日常が戻りつつある中、新たな変異株・JN.1が全国でも広がりを見せていて、福岡県でも感染者が増加傾向となっています。どのような懸念があるのか感染症の専門家に聞きました。
うきは市にある観光農園、よかもんいちごでは、新型コロナが5類に移行して初めての、いちご狩りシーズンが始まっています。
■岐阜から
「コロナ禍前みたいにイチゴ狩り楽しめるようになってよかったと思います。」
これまでマスクや手袋の着用を義務づけていましたが、今はコロナ禍前の営業に戻っています。去年12月から海外からの旅行客の需要も急増していて週末は、1日最大300人が訪れているということです。
観光農園ではコロナ禍前の風景が戻りつつある中、福岡市西区の井上さとし内科では、発熱などの症状を訴えてくる人が次々に訪れ、対応に追われていました。
■阿部まみフィールドキャスター
「福岡市にあるこちらの医院では、午前中から多くの患者で混み合っています。」
午前9時の診療前から、発熱外来の問い合わせの電話が殺到していました。
クリニックでは、16日はこれまでのところ、新型コロナの感染者はいませんでした。ただ、去年12月中旬から、発熱を訴える患者が1日最大40人近く訪れています。
そのうち検査をした10分の1ほどが新型コロナと診断されているということです。
■井上さとし内科・井上聡院長
「インフルエンザもコロナも両方同時に流行しているような気がします。今まではコロナ患者がいない日も多かったが、今は毎日3人・4人必ず陽性者がいる状況です。今までの人数に比べると、徐々に増えてきている感じを持っています。」
定点把握による福岡県内の感染者数は、去年11月下旬ごろから増加しはじめ、1月7日までの1週間で、1医療機関あたり7.44人で前の週の1.41倍に増加しました。
■感染症に詳しい長崎大学大学院・森内浩幸教授
「12月の上旬あたりの、いわゆる定点報告というものを見ると、福岡では(1月上旬で)3倍近くまで増えていますので、第10波といっていいような動きをしていると思います。」
感染症に詳しい長崎大学大学院の森内教授は、全国でも感染が広がりつつある「変異株」があると指摘します。
■森内教授
「今一番問題視されているのは、JN.1と言われるものになります。」
JN.1は、オミクロン株の一種で感染力が強いのが特徴です。基礎疾患のある人などは、重症化を防ぐためにワクチンを打つことが有効だといいます。
■森内教授
「冬場によくはやるようなウイルスの仲間で、インフルエンザと同じように、毎冬また次のコロナがはやりそうだなみたいな感じで残っていくと思うが、今のところはまだ年に2回くらい、こういう流行の波が起こることは覚悟しておいた方が良いと思います。」
福岡県で“第10波”への懸念が広がるなか、森内教授は、一人一人が感染対策に努めることが大切だと呼びかけています。
去年5月に新型コロナが5類に移行されたことを受け、公費での支援は縮小されています。
福岡県によりますと新型コロナのワクチン接種は現在、無料で受けることができますが、ことしの3月末で終了します。ことし4月からは、65歳以上などを対象に1回7000円程度の自己負担となる見込みです。
それ以外の人は任意での接種が可能ですが、全額自己負担となります。
また、治療薬や入院費もことしの3月末までは一部、公費で支援されます。しかし、4月以降の対応についてはまだ決まっていません。