意外と知らない献血事情 「自分はできない」と思い込んでませんか?
広島テレビのアナウンサーが、気になるテーマを自ら取材して、お伝えする『アナたにプレゼン』。馬場のぶえアナウンサーのテーマは「子育て」や「福祉」。今回は、意外と知らない献血事情についてお伝えします。
献血って誰ができるの?制限ってあるの?
冬場は、風邪やインフルエンザの流行などで、献血する人が減ってしまいます。ただ、血液は人工的に作れず、長期保存もできないということで、深刻な問題です。私はこれまで、献血をしようとしたことはありましたが、当時、ヘモグロビンの量が足りなかったことから、献血ができない体だと思い込んでいました。実際は、ヘモグロビンの量は、日によって変わるそうで、昨日できなくても今日できることもあるそうです。このように、意外と献血について誤解していることがあるのではないでしょうか。
献血ができる年齢は、16歳から69歳です。年齢によって、血液の量や条件はありますが、昔と比べると、献血ができる年齢は拡大しています。ただし、65歳以上の人は、60歳から64歳までの間に献血の経験がある人に限られます。また以前は、17歳以下は200㎖しか献血できなかったのですが、2023年4月から男性に限り、17歳から400㎖献血が可能になるなど、採血基準がいくつか変更されています。
他にも献血できない場合があります。貧血傾向、特定の病気や体調不良の方だけではなく、体重制限があります。400ml献血は、50kg未満の方はできません。また、一定期間内に予防接種を受けた場合、例えば、インフルエンザは接種後24時間、コロナのRNAワクチンは48時間経過しないと、献血できません。さらに、新型コロナに感染してから4週間以内や、海外から帰国してから4週間以内はできないなど多くの決まりがあり、問診で医師が総合的に判定します。
何に使われているの?
2021年の東京都のデータを見ると、献血を必要としている人で、1番多いのは、がんの治療です。国内で年間100万人の方が輸血を必要としており、75%ぐらいが、がんを含めた病気の治療で使われています。
輸血を必要とする人の年齢は、およそ87%は50歳以上です。つまり、少子高齢化で、輸血を必要とする高齢者層が増加し、献血ができる若い世代は減少しているので、これまで以上に献血への協力が必要になってきます。
献血ができる場所は?
献血ができる広島県内の場所ですが、「献血ルームもみじ」が広島市中区本通りに、「献血ルームピース」が広島市中区紙屋町にあります。さらに、移動献血バスは、県内を巡回しており、広島県赤十字血液センターのホームページで確認できます。
今回、本通り電停のすぐそばにある「献血ルームもみじ」に行きました。中は、カフェのようにきれいで、くつろげる雰囲気です。ドリンクコーナーがあり、受付を済ませると、自由に水分補給ができます。また、献血の前には、医師による問診もあります。献血は、リラックスしてできます。ドリンク持ち込め、スマホを見たり、本を読むこともできます。
献血には種類があり、血液そのものを提供する全血献血(400㎖・200㎖)と、決まった成分だけを提供する成分献血(血小板成分献血・血しょう成分献血)があります。成分献血の場合、回復に時間がかかる赤血球を体内に戻すので、体への負担が軽くなります。この日は、成分献血を行いました。
みんなで、献血に行こう!
献血に来ていた人に、話を聞きました。20代の学生で2回目だという方は、「暇だった。血はいくらでもあるし、世の中のためになるかなと思ってきました。」と言っていました。そして、40代女性で13回目という方は、「唯一できる社会貢献と思っている。何かのボランティアをする時間まではないけれども、献血ならできる。」、さらに50代の男性の方で、年に3回15年ほど続けている方は、「世の中のためになりますし、(献血の時、自分の血液の検査をしてくれるので)健康管理にもなる。」と話しました。
最後に、献血をする方に便利なアプリ「ラブラッド」が、2022年にできました。一部を除く全国の献血会場のWeb予約が可能となり、ポイントを貯めて記念品と交換できます。また、血液の検査結果を含む献血記録が、献血後数日でWebで確認できるなどの特典が受けられます。詳しくは、日本赤十字社のホームページをご覧下さい。