路面電車がビルの2階に乗り入れる!? 広島電鉄の「駅前大橋ルート」とは【アナたにプレゼン・テレビ派】
広島テレビのアナウンサーが、気になるテーマを自ら取材して、お伝えする『アナたにプレゼン』。今回プレゼンするのは、木村和美アナウンサー。「変わりゆく広島の街」と題して、2025年春に開通する広島電鉄の「駅前大橋ルート」についてプレゼンします。
広島電鉄は、今回の広島駅の再開発で、全長およそ1.2kmの「駅前大橋ルート」を新設します。そのルートは、南側に進んで駅前大橋を直進、さらに稲荷町交差点から比治山町交差点まで続きます。これまで広島駅に発着していた路線、1号線広島港行、2号線宮島口行、5号線比治山下経由広島港行、6号線江波行の4路線全てが、新広島駅ビルの2階に乗り入れることになります。
「駅前大橋ルート」を通ると、広島駅から市内中心部までこれまでよりも4分短縮されます。また、現在利用している1階部分の広島電鉄の乗り場は廃止となります。電車が2階に乗り入れることから、JRから広島電鉄への乗り換えが70秒短縮されます。スーツケースを持って移動する観光客やベビーカーを押している人にとっては、エレベーターに乗る手間が省けます。現在、2階の工事の進捗状況は、5月末時点でおよそ5割が完了しており、工事は順調に進んでいるそうです。
2023年12月半ばには、橋桁の支えとなる橋脚の「大梁」が設置されました。幅がおよそ12m、高さ3m、奥行き3.5m、重さ60tと、かなり大きく、雨の中、周囲に接触しないように深夜に慎重にクレーンで持ち上げる作業が行われました。
駅ビル2階に乗り入れる際の勾配は4%だそうです。これは、底辺1mに対して、高さ4cmの直角三角形を作った時と同様の勾配となります。 現在走行している広島電鉄で1番大きい勾配が荒神橋の3.5%で、広島電鉄の猿猴橋電停から的場町電停までの箇所に当たります。「駅前大橋ルート」は、橋が下がっている部分から中央に向かう登りを利用して、駅ビルの2階に到達することから、被爆電車を含めた車両の全てが、技術的に対応できる勾配だそうです。
駅前の交差点にかかる高架の建設作業が、6月半ばに行われる予定です。それに伴い、6月13日、16日、 17日には広島駅前交差点が通行止めになります。また、南口の仮設タクシー乗り場も利用不可になります。高架が大洲通りの上を通った後も、駅ビルにつがるまで少し距離があるため、その工事は2024年の終わり頃に行われる予定です。
広島駅から稲荷町交差点の駅前通りのレールを敷く工事では、アスファルトの部分が掘り返され、砂利や砂が入れられています。
稲荷町交差点から比治山町交差点では、まだレールが敷かれていません。レールは、1つ重さ4tほどのブロックに分かれており、そのレールをパズルのように組み合わせて、1日に4mから5mずつ延びていくそうです。2025年1月頃には、比治山町交差点までが完了予定です。
また、「駅前大橋ルート」が新設されることで、猿猴橋電停や的場町電停のルートが廃止になります。広島駅の周辺の再開発について、今後も詳しくお伝えしていきます。