【被爆79年】あの日の記憶 短歌に託した被爆者の歌集
79年前のあの日の記憶や思いを短歌に託した被爆者がいます。その歌が歌集としてまとめられ6日出版されました。
タイトル「ひろしまを想う」。原爆や戦争をテーマに詠んだ500首の短歌が紹介されています。
■切明千枝子さん
「ピカーっと光って、目の前に太陽が落ちたかと思いました。その途端に今度はすごい爆風がきて、私はもう地面に投げ飛ばされて」
自身の被爆体験を短歌にしたのは切明千枝子さん・94歳です。15歳の時、爆心地から1.9キロ離れた橋のたもとで閃光を浴びました。切明さんが、短歌にした記憶…。
「燃えながら泣きながら母校へたどりつき果てたる友よ八月六日」
学校の校庭で下級生たちを火葬した時のことを詠みました。8月3日、切明さんの歌集の出版を記念し、講演会が開かれました。
■切明千枝子さん
「歌を詠むということは、自分自身の心をなだめる。自分自身の生きてきた歴史。歌集にしてみなさんに読んでもらうなんてことは、考えたことがなかった」
歌集の出版を提案したのは佐藤優さん。多くの人に知ってもらいたいと考えたからです。
■一橋大学 大学院 佐藤優さん
「切明さんの記憶がそれぞれの読み手の中で生き続けるそんな一冊になるといいなと思う」
■切明千枝子さん
「私が死んでしまったら、私の経験したあの日のことが全て終わりかなと思っていたが、それが残って平和のためにそれがお役に立てば何よりうれしい」
あの日が二度と繰り返されませんように…。切明さんの願いです。
【2024年8月7日 放送】