【鉄道ファン垂涎】速度制御器や警笛…熊本市電が倉庫で眠っていた部品をネット販売
「水道町」と書かれた電停の看板に、車両の行き先を表示する「方向幕」。どれも鉄道ファンにはたまらない品がずらりと並んでいます。今年8月1日に開業100周年を迎える熊本市電。ちょうど100日前の23日、役目を終え車両工場で保管されていた部品など、あわせて13種類287個がインターネットで販売されました。
こちらはドイツ製の「速度制御器」(33,000円・1個限定)。1997年頃、日本に導入された超低床電車に使われていました。
プリペイドカードの読み取り機は、熊本市電や熊本の路線バスで利用できたぷりぺーどカード「To熊カード(ツーユーカード)」とセットで7,700円です(3個)。ICカードが導入されるまで車両に設置されていました。
このほか、つり革(550円・100個)や、年季の入った警笛機(9,900円・7個)なども出品されました。
■倉本彩アナウンサー
「午前9時です。たった今、オンラインストアで販売がスタートしました」
販売開始から1分もたたないうちに、3万3000円の速度制御器など、あわせて10種類26個が売れました。北海道からも購入の申し込みがあったということです。
■熊本市交通局総務課 吉岡秀一課長
「ここまで早く売れてしまうとは、本当にビックリしています。ここまでのスピードで売れてしまうとは想定外です」
今回の出品分が完売すると、売り上げは約63万円に。熊本市交通局は、今年導入予定の新型車両の購入費や、電停を改良するための費用などに活用する予定です。
■熊本市交通局総務課 吉岡秀一課長
「開業してから順風満帆ではなく、かつては市電がなくなってしまう時期もありましたけれど、そういった危機を乗り越えて現在このような形で残っている。今後100年後も市電を運行できるように取り組んでいきたい」
【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
熊本市電では年内に約4億円の新型車両を2台購入予定で、少しでも費用の足しになればと今回の販売を行ったということです。また、担当者によりますと、車両工場には眠った状態の部品などがまだ数多くあるということで、今後も販売を行いたいとしています。