【プロに聞く】GW九州道の渋滞予測 渋滞を起こさないための「ファスナー合流」とは?
(緒方大樹記者)
1年の中でも特に渋滞に悩まされるゴールデンウイーク。車で遠出を計画している人には関心が高い高速道路の渋滞情報について、ある人に話を伺いました。
高速道路の渋滞予測について話を聞いたのは、福岡市で高速道路の整備や安全管理を担うNEXCO西日本の松下聖史さんです。松下さんは、全国のNEXCOに14人しかいないというその専門的な仕事をしています。それは…。
■NEXCO西日本 松下聖史さん
「私の仕事は“渋滞予測士”です」
渋滞予測士とは文字通り、「渋滞を予測する」担当者のこと。交通量など過去のデータや道路状況を元に、日々、九州の高速道路の渋滞を予測し、ホームページなどで公表しています。
■NEXCO西日本の渋滞予測士 松下聖史さん
「今年、2024年の曜日の並びと近い2018年の実績をベースに、2013年などのデータも用いて参考にしながら予測を立てました」
高速道路における渋滞予測のスペシャリスト、松下さんに聞きました!今年のゴールデンウイーク、九州自動車道の渋滞のピークは?
まずは、宮崎県方面に向かう下り線。
■NEXCO西日本の渋滞予測士 松下聖史さん
「下り線のピークは5月3日の筑紫野IC付近ですね」
ゴールデンウイーク後半となる4連休の初日、5月3日の午前9時頃、福岡県の筑紫野ICを中心に鳥栖~若宮間で最大30キロの渋滞が発生すると予測しています。福岡方面から九州全域に旅行や観光で出かける人が増えるものの、この渋滞が熊本県内に及ぶことはないとしています。
続いて上り線は?
■NEXCO西日本の渋滞予測士 松下聖史さん
「上り線のピークは5月5日の広川IC付近です」
5月5日の午後5時頃、久留米~菊水間で最大25キロとなる予測です。
■NEXCO西日本の渋滞予測士 松下聖史さん
「ゴールデンウイークの終盤ということもあり、福岡方面へのUターンラッシュから九州自動車道を北上する車が増える傾向にあります。広川先は上り坂となっていて、さらにSAとの合流か所もあることから、速度低下が起きやすく、まさに渋滞要因の組合せとなっています」
ゴールデンウイークに発生する高速道路での交通渋滞。車でのお出かけを計画している人に、松下さんが伝えたいことがあるといいます。
■NEXCO西日本の渋滞予測士 松下聖史さん
「渋滞予測士というのは、渋滞を予測・発表して、お客様にドライブプランの変更を促すことで渋滞緩和を目指すことが活動目的です。そのため、実は予測が外れてくれる方がうれしいです。私の予測が少しでも外れて、スムーズなドライブが出来ることを祈っています」
松下さんに「渋滞を引き起こさないためのポイント」を聞きました。
①車間距離を詰めすぎない
②追い越し車線にこだわらない
③ファスナー合流を心がける
(緒方太郎キャスター)
①の車間距離や②の車線変更は、後続車がブレーキを踏むきっかけになるので渋滞対策とわかるのですが、ファスナー合流とは?
(緒方大樹記者)
高速道路のサービスエリアなどから本線に合流する際に、加速レーンの先頭で1台ずつ交互に入っていくのがファスナー合流です。
(平井友莉キャスター)
確かに、洋服のファスナーが閉じ合わさるみたいですね。
(緒方大樹記者)
加速レーンの一番先まで進まず、途中で思い思いに合流しようとすると、多くの車がブレーキを踏むことになります。
(緒方太郎キャスター)
加速レーンの先頭から譲り合いながら合流することで、スムーズな運転につながるんですね。
(緒方大樹記者)
NEXCOではファスナー合流を渋滞対策のひとつとして推奨していますが、松下さんは、九州ではファスナー合流をしない人が多い印象があると話していました。
(緒方太郎キャスター)
渋滞に巻き込まれるとイライラしてしまうこともありますが、こうした思いやりで快適なドライブにつなげたいです。
(緒方大樹記者)
NEXCO西日本のホームページでは、渋滞を考慮した移動時間の検索もできます。詳しくはNEXCO西日本のホームページをご覧ください。
(緒方太郎キャスター)
このほかの交通機関です。JR九州によりますと、新幹線と在来線の予約状況は、下りのピークが5月3日、上りのピークが5月5日です。指定席はすでに満席となっている列車がありますが、ピークを外せば、予約は可能だということです。
空の便はJAL、ANAともに国内線の下りのピークは4月27日、上りのピークが5月6日です。ゴールデンウイーク初日の4月27日の午前中の便は、上り・下りともに満席となった便がありますが、他の日の便はまだ予約が可能だということです。