血を吸われ 激しいかゆみ 数か月!?南阿蘇で急増「ヤマビル」の特徴と対策
南阿蘇で急増しているとされるヒルの一種「ヤマビル」。時には激しいかゆみに襲われる被害も出ています。
10日、南阿蘇村の議会で議題に上がったのが。
■南阿蘇村議会 河内克也議員
「主に両併・久石地区に生息するヤマビルの人的被害が絶えません」
村で急増しているというヒルの一種「ヤマビル」です。湿気を好み、山林などに生息しているというヤマビル。体長2~8センチほどで、動物に触れると皮膚にとりつき血を吸います。毒性はなく人が血を吸われても痛みを感じることはありませんが、数か月にわたってかゆみやあとが残ることもあります。
■ブルーベリー観光農園ゆかりのファーム 甲斐郁珠代表
「ここ7年くらいで10倍くらいに増えた感じ」
なぜヤマビルが増えたのでしょうか。村の職員は、原因のひとつに管理されていない山が増えたことを挙げています。
■南阿蘇村 水・環境課 田上 義明課長補佐
「シカの体にヤマビルはつくので、イノシシなども含まれると思いますけど、おそらくそういったものの増加にともなってヤマビルも増えているのではないか」
足元から上ってくることが多いといいますが、中にはこんな体験も。
■南阿蘇村 水・環境課 田上義明課長補佐
「カメラを構えた時に手の上に木からヒルが落ちてきたこともあります」
阿蘇地域の山道などを走るイベントを開催している団体は、南阿蘇では阿蘇外輪山の南側から高森町の東側にかけてヤマビルの生息を確認。4~5年ほど前に野焼きをやめた地域もあり、広い範囲で目撃されるようになったと指摘しています。
観光への影響を懸念する声も。
■ブルーベリー観光農園ゆかりのファーム 甲斐郁珠代表
「いやですね、すごくいやです。観光農園なのでお客様に被害があるのがいやだなというのがある」
この農園では、害獣よけのネットを貼った春以降、被害は確認されていないということです。南阿蘇村では、ヤマビルの活動が活発になる雨上がりには山林に近寄らず、林道を歩く際はこまめに足元を確認するよう呼びかけています。
【スタジオ】
ヤマビルに血を吸われないための対策です。
阿蘇フィールズランニング実行委員会の佐藤雄一郎さんは、「塩水」が効果的だと話しています。スプレーで塩水をふりかけて、濡らしたタオルを首に巻いたり靴にかけたりすることでヤマビルを避ける効果があるほか、虫よけスプレーも効果的だということです。
ボタンつきのシャツは避け、シャツやズボンのすそは中に入れるようにしましょう。
ヤマビルが体に付着した場合には、消毒用エタノールをかけながら指で取ってください。この際、卵を産ませないために塩や虫よけスプレーで駆除してください。
ヤマビルは、吸い口から血液が固まるのを妨げる「ヒルジン」という成分を注入します。水道水で流しながら傷を指でつまむようにして血とヒルジンを押し出し、虫刺され用の薬を塗って、ばんそうこうで保護してください。