熊本市役所庁舎建て替えへ 熊本市が5月まで市民に向けた説明会開催
耐震不足が指摘されている熊本市役所本庁舎について「建て替え」の基本方針を示している熊本市。建設予定地などの検討が進む中、市民に向けた説明会を始めました。
熊本市庁舎に関する市民説明会は、5月12日まで各区で2回ずつ開く予定です。20日の初回は南区城南町で開催され、約30人が参加しました。
熊本市は建て替えに向けて3月に示した「基本構想」の素案を動画にまとめ、これまでの議論の経緯や約470億円とされる事業費などについて説明しました。
新しい庁舎は災害対応や質の高い行政サービスの提供、まちの賑わいに貢献するという指針のもと、
候補地として現在の手取本町、城東町桜町、白川公園の4つのエリアを上げています。
概算事業費は約470億円ですが、熊本市は国の支援制度「合併推進債」を活用し市の財政負担を約136億円軽減したい狙いです。
説明会の参加者からは、いまの庁舎跡地の活用方法や熊本地震で被害がなかった建物を建て替える必要性があるのかという質問のほか、市民の意見を反映するため住民投票をしてほしいなどの意見が出されました。
■説明会に参加した人
「(建て替え候補地が)なぜそこを選んでいるのかなど根拠が説明されていましたので具体的なイメージが湧きました」
「400億から500億のお金がかかるからできるだけいまの施設を生かす方がいいと思う」
熊本市はことし秋までに建設地を決定する方針で、説明会で出た意見を取り入れつつ「丁寧な説明を行いながら合意形成を進めていきたい」としています。
「合併推進債」とは、合併した市町村が事業の財源として借り入れできる地方債で、返済時に国が支援するものです。市庁舎建て替えの概算事業費は約470億円ですが、合併推進債を使うと約136億円軽減できるということでした。ただし、この合併推進債を活用するには条件があります。
今年度末までに「実施設計」に着手する必要があるんです。熊本市は今年度末までに基本計画、基本設計、実施計画を一括して業者と委託契約を結び、来年度以降、計画や設計に取り組むことを検討しています。熊本市議会の委員会では「急ぎすぎ」という意見もあるようですね。
行政法が専門で公共事業にくわしい熊本県立大学の上拂耕生教授は、委託契約の進め方について「法律で決まっているわけではなく特に問題はない。ただスピーディーに進められているのは確かなので、熊本市は市民の意見吸い上げや合意形成をスピード感を持って丁寧にする必要がある。説明会の場はとても重要」と話します。
今後の市民説明会の予定です。23日は北区で実施され、5月12日までに各区2回ずつ開催される予定です。熊本市のホームページには、庁舎建て替えに関する説明動画やWEBアンケートも掲載されています。詳しくは熊本市のホームページで『新庁舎整備に関する市民説明会』と検索してください。