半世紀待ち望んだ開業 福井県内の盛り上がり 新たな地域間競争の始まりへ
16日、福井県内は各地で歓迎ムードに包まれました。その一方、敦賀駅では大阪・名古屋方面とを結ぶ特急との乗り換えで混雑しました。開業日の福井県の様子です。
早朝の福井県、敦賀駅。東京行きの一番列車に乗ろうと、コンコースは興奮に包まれていました。
「ワクワク。やっとこの日が来たなと。まず東京タワーに行ってきます。何十年ぶりの東京タワー」
そして、午前6時すぎー。
「出発進行!」
福井放送 酒井拓海記者
「今、敦賀駅から東京へ向かう一番列車が出発しました!福井が半世紀願い続けた夢がかなった瞬間です」
東京駅をめざし、かがやき502号が早朝の福井を駆け抜けます。
北陸新幹線の福井県内の駅は、西から敦賀、越前たけふ、福井、芦原温泉の4つが設けられました。
「あ!来た来た来た」
「来た来た」
「来たよー」
「感動ですよ!感動しかないです」
沿線では、待ちわびた住民が歓喜の声を上げました。
「生まれて13年経つけど、こんなにうれしかったことは、人生でこれ以上ないくらいうれしい」
Qどんな感じ?
「ばんざーい!」
喜びは、福井県内を駆け抜けていきます。
一方、早朝の東京駅では、敦賀駅をめざす一番列車がー。
「出発進行!」
「かがやき501号が敦賀駅へと出発しました」
福井県民がこれまで東京との行き来によく使っていたのは、東海道新幹線の南回り。特急を乗り継ぎ、最短3時間18分でしたが、北回りの北陸新幹線では、乗り換えなしで2時間51分でつながります。
この延伸に伴い、北陸と大阪を結ぶ特急サンダーバードは、敦賀駅で乗り換えが必要に。JR西日本は、8分での乗り換えを想定しています。
「意外とスムーズに乗り換えられたなと」
「分かりにくいです!敦賀だと思ってなめていました」
なかには、乗り遅れた人の姿もありました。
敦賀駅の周辺では、イベントが開かれ、富山県からは、高岡市と黒部市が出展。2024年秋に一般開放される黒部宇奈月キャニオンルートをPRしていました。
また、滋賀や京都など関西の自治体も「敦賀からの近さ」をPRしていました。
「敦賀からすぐの、滋賀県の湖北地域のPRをしていまーす」
三日月大造滋賀県知事
「(敦賀の)隣の県、滋賀県ですので、敦賀まで新幹線が来ました。湖国、滋賀県にもお客様をお迎えしたいと思いますので、ぜひお越しください」
北陸新幹線は16日の敦賀開業によって、今後は大阪までの全線開業の時期が焦点となります。
敦賀・新大阪間は当初、2023年春の着工が予定されていましたが、環境影響評価が遅れていることなどから先送りとなっていて、着工の見通しは示されていません。