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【解説】衆議院選挙・重複立候補とは? 

2024年10月7日 20:04
【解説】衆議院選挙・重複立候補とは? 

スタジオには、政治担当の神林記者です。

富山1区の現職、田畑議員が次の衆院選で比例代表との重複立候補が認められなくなったということなんですが、改めて、重複立候補というのは、どういう制度でしょうか。

現在、衆議院選挙はこちら「小選挙区比例代表並立制」を採用しています。

小選挙区の立候補者を政党の比例代表名簿にも記載できる制度で、候補者は、小選挙区と比例代表の両方に立候補できるんです。

小選挙区では最も票を集めた1人しか当選できませんが、仮に敗れた場合でも政党の名簿順位や自分の得票数によって、比例代表でも当選が可能になります。

候補者にとって公認と同じく、議員の生命線といえる制度ですが、今回、石破総理はいわゆる「裏金議員」への対応として、政治資金収支報告書への不記載が確認された議員について「公認」は認めるものの、小選挙区に立候補した上で比例代表にも立候補することは認めない、としたわけです。

富山1区ではこれまで比例代表で復活当選した例はどれくらいあるのでしょうか。

2003年と2005年には、当時民主公認の村井宗明さんが、当時自民公認の長勢甚遠さんに小選挙区で敗れたものの比例代表で復活しました。

一方、自民の議員が比例で復活当選した年もあります。2009年には、自民の長勢さんが民主の村井さんに小選挙区で負け、比例代表で復活当選しました。

また、2014年と2021年には、当時維新の吉田豊史さんが自民の田畑裕明さんに及ばず、比例代表で復活当選しています。

田畑議員にとっては大きな逆風ですよね。

はい、田畑議員の選対本部長は次のように話しています。

五十嵐務選対本部長「党本部の決定なんで、我々としてはそれを粛々と受け止めるしかないというふうに思っています。我々の戦い方としては、あくまでどの選挙の時もそうですけども、小選挙区で必ず勝つんだ という思いで、みんな心一つにして戦っているわけですから、そのことには変わりはないと思います」

選対本部の幹部は「まさに背水の陣となった、組織を引き締めないといけない」と話しています。

一方で、関係者の中には田畑議員はこれまで4回の当選でいずれも小選挙区で勝利しており、「影響は限定的」という声もあります。

衆院選富山1区には、これまでにご覧の5人が立候補を表明しています。

田畑議員のほか吉田豊史議員も、日本維新の会から除名処分を受け、無所属で活動しているため比例復活する可能性がない状況となっています。

その他、立憲民主党の山登志浩さん、日本維新の会の浅岡弘彦さん、共産党の青山了介さんの新人3人が立候補を表明しています。

そして田畑議員が代表を務める自民党の選挙区支部の会合はおととい、田畑議員を次の衆院選富山1区の公認候補として党本部に申請することを正式に決めました。

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