県内河川でサケ記録的な不漁 庄川の流し網漁けさの水揚げは5匹
県内の河川では、川を遡上するサケの漁が最盛期を迎える時期ですが、今年は記録的な不漁となっていて、関係者は頭を悩ませています。吉田記者のリポートです。
きょう午前6時半、射水市の庄川では、サケ漁に向かうため庄川漁連の組合員4人が2隻の舟に乗り出発しました。組合員が行っていたのは、網を固定せず、流れのままに魚をからめとる「流し網漁」です。
しかし、すくい上げた網にサケの姿は確認できません。
漁に出てからおよそ2時間。吉田記者「いま漁に出ていた組合員が戻ってきましたが、みなさん浮かない表情です」
庄川漁連 山本一明さん「少ないね、めちゃくちゃ少ないね」記者「漁獲量は?」山本さん「メス2本にオス3本」
この流し網漁ではこれまで、多い時にはおよそ40匹がとれたということですが、きょうはわずか5匹にとどまりました。
山本さん「去年も相当不漁だったけど、今年は予想からいくと、その6~7割くらい。たぶんサケ漁始まって以来(の不漁)じゃないか」
庄川では以前は、すのこ状の仕掛けを川を横切るように設置してサケを追い込む「やな漁」が行われていました。しかし、漁業者の高齢化や仕掛けの修繕費用の負担などから、3年前に中止しました。
2015年には3万匹を超えていた漁獲量は年々減少が続き、やな漁が中止された2021年からは600匹台にまで落ち込んでいます。
そして今年はとくに少なくなっていて、庄川での漁獲量はきのう時点で232匹。
神通川でも不漁で、富山漁協によりますと、今年の漁獲量は160匹で、庄川、神通川ともに過去最低のペースとなっています。
今年、サケは全国的にも不漁で、はっきりとした原因はわかっていませんが、温暖化が大きな要因の一つとみられています。
庄川漁連 宮崎一秋さん「水が温かいから帰ってこないのか。北海道も全体的に悪いようだから、海水温の関係もあると思う」
関係者は、漁獲量が減ることで採取する卵の数や放流する稚魚が少なくなる悪循環を懸念しています。
宮崎さん「稚魚は大体500~600万匹放しているから、0.1%分の5000~6000匹はあがって来なくちゃいけないんだけど、それだけも来ていないと思いますね」