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着ぐるみ「ポン太」子どもの交通安全願い30年 “中の人”は74歳 富山

2024年3月4日 19:34
着ぐるみ「ポン太」子どもの交通安全願い30年 “中の人”は74歳 富山

富山市で交通安全を呼び掛けるマスコットの「ポン太」をご存じでしょうか?2月、誕生から30年を迎えました。

ポン太として活動を続ける男性が今回、素顔を明かし、交通安全を呼びかけ続ける思いを語りました。

富山市新庄地区で交通指導員を務めるタヌキのポン太。

子どもたちから大人気で2月、30歳の誕生日を迎えました。

地元の保育園で開かれた誕生日会には園児や交通安全活動の関係者が集まりました。

ポン太が県警から交通指導員の委嘱を受けたのは、1994年。

それから30年にわたって、飲酒運転根絶のイベントに参加したり道路に立って交通安全を呼び掛けたりしてきました。

誕生日会には同じタヌキの富山市ファミリーパークの「里ノ助」も駆けつけました。

園児たちはプレゼントや歌で感謝の気持ちを伝えました。

男児
「お誕生日おめでとう!」

ポン太
「ありがとう!」

子どもたちの歌声
「富山中の子供たちがみんなで呼んでいる~、町のおまわりさん、みんなのヒーローぽん太くん~!」

ポン太
「元気なお歌や演奏を聞いて、ポン太くん、心がとっても温かくとても幸せな気持ちになっております!みんなはこれからも元気に、ポン太くんとの約束をしっかり守って交通事故に遭わないよう元気に過ごしてください!」

30年間も、子どもたちを見守り続けてきた、ポン太。その素顔とは?

中の人
「はぁはぁ(汗だく)」

関係者
「おつかれさまでした!」

中の人
「快い疲れです。気持ちの良い汗です!」

ポン太の中に入るのは富山市の新庄地区に住む堀田松一さんです。

堀田松一さん(74)
「74歳です。まだまだ若いつもりでいます」

記者
「重いですか?ぬいぐるみは」

堀田さん
「重くはないんですけど、息苦しくなったりしますので若いときは良いんですけど高齢者になると、しゃべり口もどうしても息苦しさ感じますので」

ポン太を務めるようになったきっかけを、堀田さんの自宅で聞きました。

堀田さん
「お父さんも床屋をしながら交通安全活動しとったん」

堀田さんの父親が交通安全活動をしていて、堀田さんも若いころからボランティアに参加していました。

今から30年ほど前、県内の交通事故による死者数は年間、100人以上でした。

堀田さんは特に子どもが亡くなる事故に心を痛めていたことから、着ぐるみで交通安全を呼びかけることにしました。

堀田さん
「特に子どもさんには警察官がしゃべるのと、着ぐるみを着た交通指導員がしゃべるのとでは、インパクトが違うっていうのが当然ですから」

新庄地区の交番に設置されているタヌキの像にちなんで、ポン太として活動することに。

小さい子どもの事故がなくならないことから30年間、活動を続けてきました。

堀田さんの自宅には、子どもたちから貰った多くの手紙が残されています。

堀田さん
「その(交通安全の)約束を守りますって言われると、みんなに伝えて良かったなぁと。これからも元気に学校行ってくれるなぁと」

また、気になるものも。

記者
「あのポン太くん、いつのですか?」

堀田さん
「これは誕生した時に購入したものだから30年前のものです。年数経つと生地が段々色あせてきますので、最初の色とずいぶん変わってきました。最初はこんな色じゃなかったんですけど。時代の流れです」

70代になり、体の衰えも感じるといいますが、ポン太としての活動は、今では堀田さんの生きがいです。

堀田さん
「生きがいが無くなることは寂しいですから回数は少なくてでも引き続き子どもたちのほうに出向いて、交通安全を呼びかけたいです。死ぬまで続けていきたい気持ちです」

堀田さんによりますと最近、ポン太を引き継いでくれる人が見つかり、新しい着ぐるみも準備したそうです。

新旧のポン太が揃って交通安全を呼びかける機会もあるかもしれません。

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