【中継】能登半島地震から1年 氷見・高岡伏木 富山県内の被災地の願い
能登半島地震の発生からきょうで1年です。
私はいま、氷見市北大町に来ています。
能登半島地震で震度5強を観測した氷見市では、住宅の倒壊や液状化など多くの被害がありました。
富山県内の住宅被害は、全壊が259件、半壊が807件、一部破損は2万1400件を超えています。
一方、自治体による公費解体は、1230棟の申請に対し、完了は2割にとどまり、住民からは遅れを指摘する声もあがっています。
地震から1年となりましたが、傾いた家に住み続けることを余儀なくされている住民もいて、復興への道のりは、依然として厳しい状況です。
富山県内の被災地の昨夜からきょうにかけての様子です。
石川県との県境に近い氷見市姿地区の長福寺では、大みそかの昨夜、地域住民が除夜の鐘をついて、復興を祈りました。
大きな被害を受けたこの地区では現在も復旧工事が続いています。
高齢化が進んでいることもあり、地震後、3割の世帯が地区外へ転出していて、コミュニティの維持が課題となっています。
「いろんなことがありすぎて…どんな1年だったかというと楽しい1年ではなかったが、(2025年は)何もない、何も起こらないで普通に過ごせたらそれで十分です」
氷見市姿地区 山本譲治区長
「災害がないことを祈って除夜の鐘を叩かせてもらいました。ここ(姿地区)を見捨ててほしくないなと思います。」
一方、こちらは、高岡市伏木地区です。
被災地域を見下ろす伏木神社には、元日のきょう、多くの住民らが参拝に訪れていました。
伏木の中で液状化による被害が深刻な地区では、130世帯以上が減少していて、とくに被害の大きかった石坂と中道の自治会では、世帯の3割から4割が転出したということです。
「まだまだ不安が残っているが、でも今年は少しでも前向きでいい年になるように この(良い)天気のように みんなで頑張っていきたいと思います」
「無事に1年が過ぎるようにと強く思って願いました。」
「とにかく地震がありませんように。それさえなければみんな健康で元気で過ごせるかなと思います」
伏木地区では、あちこちに空き地が広がり、道路はでこぼこのままで、下水道の本格的な復旧工事も始まったばかりです。
住民からは「自分たちは取り残されている」という声が聞かれました。
そして県内では、水産業や観光業も深刻な影響を受けました。
シロエビの漁獲量は去年、例年より6割以上減少しました。
統計が残る1985年以降では最も少なく、地震による「海底地滑り」が原因とみられています。
また、ベニズワイガニも不漁に見舞われ、多くのカニが土砂に埋もれて死んだ可能性が指摘されています。
落石被害を受けた黒部峡谷トロッコ電車は、全線開通が来年秋以降に延期されました。
これに合わせ「黒部宇奈月キャニオンルート」も一般開放が見送られています。
そして、県内でも災害関連死として、高岡市の高齢者2人が認定されました。
当たり前の日常が失われてきょうで1年。
県内の被災地はまだまだ復興まで道半ばです。
氷見市北大町から中継でお伝えしました。